先日、番組収録中に、一般人へ平手打ちを見舞ったデヴィ夫人について『TBSを出入り禁止になった』との報道も出ている。だが、あるテレビ局関係者は首を傾げる。
「そんなことをするくらいなら、まずデヴィ夫人の前に、制作会社の担当者が出禁になるはずです。テレビ界では、デヴィ夫人よりも、むしろ担当ディレクターの責任が問われる。エキストラの素人に一言、『ビンタされる可能性もありますけど、大丈夫ですか?』と聞いていれば、このような騒動にはならなかったでしょうし、そう聞いた上で誰をエキストラとして使うかを決めれば良かったわけですからね。今回の騒動は、業界では演出側のミスと判断されます」
テレビ界では、よほどのケースを除き、タレントに責任を負わせることは少ないという。テレビ局関係者が続ける。
「過去に、あるタレントが学生時代の万引きを告白したことがあった。このときも、制作会社が事務所に平謝りをしたと聞いています。要は、編集の段階でカットすればよかっただけですからね。現場にいたマネージャーが制作陣に『さすがにあの部分はカットしといてください』と進言する必要はあったかもしれませんが、事務所にとってみれば、『まさかオンエアされるとは』と驚いた面もあったはず。
それだけ制作会社の責任は重いからこそ、番組作りは“安全第一”を心がけるようになってます。裏を返せば、冒険をしづらい環境ともいえますね」
昨年起こった『ほこ×たて』(フジテレビ系)のやらせ騒動でも、制作会社が処分されている。
「テレビ局が制作会社を頻繁に使う理由のひとつに、『責任を取らないシステム作り』も存在します。局員はプロデューサーだけという番組も少なくない。なにか問題が起こっても、局員が関わっていなければ、必然的に制作会社が追及されますからね。結局、トカゲの尻尾切りと同じことですよ」(別のテレビ関係者)