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【ドル円週間見通し】円キャリーで新興国通貨不安の緩和期待

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月17日~2月21日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、17-18日の日本銀行金融政策決定会合、22-23日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を見極める展開となる。
 
【FOMC議事録公表】
 19日には、全会一致で100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)を決定した1月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)での失業率目安(6.5%)の変更の可能性、テーパリング(量的緩和縮小)の中断の条件などを見極める展開となる。

 なお、イエレン第15代FRB議長の13日の上院での議会証言は、悪天候により延期されたが、今週中(2月17日-21日)に行われる可能性が高いとみられている。

【日本銀行金融政策決定会合】(17-18日)
 FRBがテーパリングを開始したことで、「ドル・キャリートレード」の手仕舞いにより、新興国市場からの資本流出が続いている。日本銀行には、異次元の量的・質的金融緩和第2弾により、対内的には、4月からの消費増税への対応、対外的には、「円・キャリートレード」を通じて新興国通貨不安を緩和する役割が期待されている。

【リパトリ(外貨建て資産売却・円買い)】
 3月期末決算に向けた本邦機関投資家によるリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)により円買い圧力が強まることが予想される。
 
【G-20財務相・中央銀行総裁会議】(22-23日)
 G-20財務相・中央銀行総裁会議では、FRBのテーパリングによる新興国市場の混乱への対応策が協議される見込みとなっている。

2月17日-21日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)10-12月期国内総生産(GDP)- 17日(月)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率2.8%
 5四半期連続でプラス成長となることは確実。個人消費の伸び悩みで7-9月期にやや鈍化した経済成長率は昨年10-12月期にやや加速したようだ。製造業、非製造業の設備投資は、やや堅調で経済成長に寄与したもよう。ただし、輸出は伸び悩んでおり、外需寄与度は7-9月期に続いてマイナスとなる見込み。市場予想は妥当な水準か。

○(日)1月貿易収支- 20日(木)午前8時30分発表
・予想は、-2兆4870億円
 参考となる12月貿易収支は、-1兆3021億円。1年前との比較で赤字額は倍増している。円安進行による影響で輸入額は膨らんでいる。また、1月上中旬分の貿易収支は-2兆150億円の大幅な赤字を記録。輸入額は前年比+30.2%だった。輸出の伸び悩みで1月の貿易収支は記録的な赤字となる可能性が高い。

○(米)1月消費者物価指数- 20日(木)午後10時30分発表
・予想は、全体の数字は前年比+1.6%、コア指数は同比+1.6%
 参考となる12月実績は全体の数字が前年比+1.5%、コア指数は前年比+1.7%。全体の指数はガソリン価格の上昇で前月比では+0.3%だったが、コア指数では同比+0.1%だった。コア指数の上昇率は抑制されており、1月もこの傾向が続く見込み。市場予想は妥当か。

○(米)1月中古住宅販売件数-21日(金)日本時間22日午前0時発表
・予想は、470万戸
 参考となる12月の実績は487万戸で前月比+1%。市場予想を下回ったが、11月実績は下方修正されていた。12月は北東部と中西部で販売減少が確認されたが、悪天候が影響したものとみられている。12月の中古住宅販売仮契約は前月比-8.7%と急減。1月についても天候不順の影響が残される可能性があり、市場予想は妥当か。

 主な発表予定は、19日(水):(米)1月生産者物価指数、20日(水):(米)2月フィラデルフィア連銀景況調査

【予想レンジ】
・ドル・円100円00銭-105円00銭

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