日韓の警察当局の発表によると事件発生件数は人口当たりで韓国が日本の3倍以上(2012年)。凶悪事件についても韓国での殺人事件数は人口当たりで日本の約2.4倍、強姦・わいせつ事件は日本の約5.8倍に達する。
中国については犯罪関連の統計データがほとんど公表されていないが、上海市の資料で「故意殺人・強姦などの重犯罪容疑者が年間3175人」というデータがある(2011年)。この数字を日本の殺人と強姦の合計件数と比較するとやはり上海が人口当たりで約1.4倍多い。さらに中国は上海のような都市部よりも農村部での貧困が深刻で、それら地域を含めた数字はもっと多いと考えられる。
門倉貴史・BRICs経済研究所所長はこう解説する。
「貧困と犯罪発生件数は相関が高いと考えられています。貧しさが路上強盗などの原因になり得ますし、経済的困難による精神的ストレスは強姦など性犯罪を誘発し得る。だから通常は国の発展とともに性犯罪は減っていく傾向があるのですが、高い犯罪率は中国や韓国がまだ先進国とは言えないことを示しています」
犯罪件数と同様に貧困との相関があるとされる自殺率(人口10万人当たりの自殺数)は日本が20.9人、中国が22.2人、韓国が33.3人となっている(2011年のOECD調査・中国はAFP報道)。
※SAPIO2014年3月号