テレビドラマにおいて「自主規制」は強固だ。各局でドラマ作りに関わった経験を持つ制作会社の現役の演出家がこぼす。
「とにかくクレームを恐れて自主規制をかける。たとえばドラマで銀行強盗のシーンを撮るとする。発砲したり、人を殺すのはOKなのに、クルマで逃走するときにはシートベルトを着けないといけないし、バイクならばヘルメットは要着用。赤信号では必ず止まる決まりになっている。その理由は、犯罪はフィクションとして受け止めるが、交通違反はリアルすぎるというよくわからないものだ」
そんな強盗にリアリティがあるとは思えない。一事が万事この調子で、ますますドラマがつまらなくなる。
※週刊ポスト2014年2月28日号