中国の習近平・国家主席が冬季五輪の開催地、ロシア・ソチを訪問した際に報じられたロシアのテレビ局のインタビュー内容が中国で話題になっている。「趣味は読書、映画、旅行、散歩」などと答えたことが、中国のウェブ上で「あまりにも自分を飾り過ぎだ」と反発が強まっているのだ。
習氏は2月7日のソチ五輪開幕の当日、インタビューを受け、ソチ五輪や中ロ関係、中国の改革などについて質問に答えた。これらはあまりにも公式見解通りなので割愛するが、中国のネットユーザーの関心を引いたのは最後の質問で、「個人的には好きなことは何か?最も好きなスポーツは?」というもの。これに対して、習氏は次のように答えた。
「趣味は読書、映画、旅行、散歩などだ。ただ、私の仕事はほとんど自分の時間をとることができないため、今よくしていることは読書だ。読書は私のライフスタイルになった。読書を通じて知的活力を保ち、インスピレーションを得、正大で剛直な精神を養うことができる」
このなかで、習氏は読書の具体的な内容については答えておらず、何を読んでいるかは不明。ネット上では「習近平は演説などで毛沢東の言葉を引用することが多いので、いまも毛沢東語録や毛沢東選集が愛読書なのに違いない」など、愛読書は毛沢東との書き込みが多かった。
また、習氏は好きなスポーツについて、「水泳や山登りが好きだ。4、5歳の時に水泳を学んだ」と答え、いまも水泳をやっていることを明かした。習氏は昨年6月のオバマ大統領との米中首脳会談でも、愛好しているスポーツについて水泳を挙げ、「毎日1万メートル泳いでいる」と答えて、オバマ大統領を驚かせた。
あまりのリアクションに習氏は自分が間違えているのに気づき、「1万メートルではなく、1000メートルでした」と訂正したことはよく知られている。これに対して北京のある知識人はこう語る。
「それにしても、毎日1000メートルも泳げば、あんな肥満した体型にはならないはず。うそくさい。それに、4、5歳のときに水泳を学んだということは、自宅か、あるいは小学校にプールが付いていたことを示す。当時の小学校でプール付きだったら、幹部子弟が通うエリート校のはず。習氏は自らがエリート出身であることをひけらかしたようなもの。あまりにも悪趣味だ」
この知識人は、習氏が「また、サッカー、バレーボール、バスケットボール、テニス、武術なども良く見ている。ウィンタースポーツの中ではアイスホッケー、スピードスケート、フィギュアスケートを見るのが好きだ。特にアイスホッケーは個人的な力やテクニックだけでなく、チームワーク・協力を必要とする競技で、すばらしいスポーツだと思う」と語ったことについても、「習氏は自身がスポーツ好きなことを強調して、好感度を増そうとしている。これも得意のパフォーマンスでは」と批判的だ。