「弱小局」「万年民放最下位」だったはずのテレビ東京は、今や続々と話題番組を世に送り出すテレビ界の台風の目となっている。ある意味「テレビ的ではない番組」で成功を収めているテレ東には、いま数多くの番組制作会社から奇抜な新企画がどんどん寄せられているという。
「業界関係者の間では“新しい企画、マニアックな企画を持ち込むならテレ東へ”というのが合言葉になっている。
かつての人気番組『料理の鉄人』を『アイアンシェフ』としてリバイバルして大コケしたフジテレビに代表されるように、どの局も硬直化し、トップダウンの無難な企画しか採用されなくなっている。
ですがテレ東は振り切れている。まァ、すがるべき“過去の栄光”も大してありませんし(笑い)。だからこそ“新しいことやってみようか”という気概もあるという印象です」(番組制作会社社員)
いまのところ「中高年向け番組」と「ゆる~い企画」の2本柱で突き進むテレビ東京の躍進は今後も続くのか。あるテレ東社員がいう。
「来年秋には、神谷町から六本木3丁目の最新設備のビルに社屋を引っ越すし、最近ではかつてウチに見向きもしなかった大物タレントがオファーを受けてくれるようになった。
これから、大物タレントとの様々な新規プロジェクトが始まる予定もあり、スタッフたちは乗りに乗っている。やっと他のキー局に追いついたという感慨があります」
大物タレントを起用? 他局に追いついた? それじゃなんだかテレ東の「良さ」が失われてしまう気が……。心配はさておき、今後フジやTBSを視聴率で追い抜いたとしても、テレ東にはぜひ「弱者の兵法」を貫いてほしいものです。
※週刊ポスト2014年2月21日号