テレビがつまらないといわれるようになって久しい。そもそも面白いコンテンツを作ろうという気が、いまのテレビマンにあるのか。彼らが血眼になるのは、低レベルな視聴率獲得競争である。
「CMのあと○○が登場」といった“引っ張り技”や、00分からではなく55分などの半端な時間から番組を始めるといった手法はすでにお馴染みだが、全局横並びで行なっていては、もはや意味がないのではないか。また、視聴者の見えないところでも、こんな駆け引きを行なっている。
「各社とも朝8時15分には絶対にCMを入れない。NHKの朝ドラが終わる時間なので視聴者は他の番組を求めてチャンネルを変えるから。せっかくNHKから視聴者が流出する時間にCMではもったいない」(別の在京キー局員)
別の制作会社ディレクターが明かす。
「テレビ業界にはテレビ東京の『アド街ック天国』で埼玉の街が取り上げられた週は視聴率が上がることから『アド街伝説』という言葉がある。そこから埼玉県には視聴率調査の機械が取り付けられている家庭が多いと考えて埼玉のローカル線に番組の中吊り広告を集中投下する担当者もいる」
番組の質を上げればいいものを、裏ワザに走るあたりがセコすぎる。
※週刊ポスト2014年2月28日号