「涙にはストレス解消の効果がある」と、メンタルヘルスケアの専門家は指摘。とはいえ、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回は、57才の女性が余命半年と宣告された娘との秘話を語ります。
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娘がすい臓がんに侵されたのは、30才の時。手術をしたものの、余命半年との診断。娘の子供はまだ5才なのに、神様はなんて残酷なのかと、私たちは絶望しました。
ところが娘は、「小学校の入学式まであと1年。それまでは絶対生きるから!」と断言し、治療に挑むことに。とはいえ、抗がん剤治療は過酷です。激痛で動けない日はもちろん、口の中がただれて、会話すらできない日も。
それでも娘は、弱音ひとつ吐かずに耐え、念願の入学式に。その日は、特別に退院許可をもらい、車いすで式に参列しました。新しいランドセルを背負った孫のはしゃぎっぷりは相当なものでした。しかし、その夜から容体が急変。娘は1週間後に亡くなりました。
死後、病室を整理していると、家族にあてた365回分のビデオレターが出てきたんです。ビデオの中の娘はいつも笑顔で冗談を言い、見ている私たちも笑ってしまうほど。毎日1回ずつ見ていると、まだ娘がそばにいてくれるような気がします。
※女性セブン2014年3月6日号