入社や結婚などを機に加入して以来、数十年にもわたって何の疑いもなく払い続けているのが生命保険料だ。60歳を過ぎると死亡や病気のリスクが高くなることから、保険料もハネ上がり、定年後の家計にとっては結構な負担になる。
「いっそ解約したいけど、ここまで支払ってきたし何かあったら困るから」と、このまま生命保険の契約を続けていいものか、あるいは解約するべきか迷う人は多いだろう。判断の目安について、ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子氏はこうアドバイスする。
「死亡保障に関していえば、残された家族がどれだけ経済的に困るかという必要保障額を試算してみましょう。60歳といえば子供もだいたいは独立している年齢ですから、必要保障額は限りなく少なくなっていくのが一般的です。
自分が死んだ後に妻が将来的に一人で生きていけるかどうかを、今ある貯金と遺族年金をもとに計算。必要保障額がほとんどゼロになるかマイナスになるようなら、継続する必要はありません。思い切って解約してしまっていいと思います」
一般的に、保険料は保険料支払いに備えるための保険金のほかに保険会社の経費が加算されているので、貯金として考えると損が大きい。必要以上の死亡保障のために、高い保険料を払う必要はないというわけだ。
※週刊ポスト2014年3月7日号