シニア世代の出会いの場として注目されているのが、同窓会だ。シニア世代の性愛事情に詳しい作家の亀山早苗さんは言う。
「最近、同窓会で焼けぼっくいに火がつくケースをよく聞きます。特に40代から同窓会は急増しますね」
亀山さんの知り合いには、中学、高校、大学と年に一度は必ず同窓会を催すというツワモノがいるという。
「その都度、すごく盛り上がるそうです。シニア世代にとって同窓会は、まず若かった頃への郷愁がある。それと、大人になってからの付き合いじゃないので、変に格好をつけなくても気心が知れていて安心感があることが大きいんです」
過ぎ去りし日々への郷愁や回顧と侮るなかれ。同窓会は、「あの頃を思い出すと、気持ちが若返るという声は多い」(亀山さん)という“心のアンチエイジング”効果を生む。
再び亀山さんが語る。
「女性の場合は、昔好きだった男性への恋心が再燃するケースだけでなく、何とも思ってなかった男性が急に気になったりするんです」
当時は目立たなかった中学生が、中年になってパリッとスーツを着こなしていると好感度は急上昇だ。社会的な地位を得ていたり、話題が豊富だったりするのも、女心をときめかせる。夫婦問題研究家で離婚カウンセラーの岡野あつこさんも証言する。
「同窓会をきっかけに不倫し、離婚を考えるようになった熟年夫婦は増加しています」
岡野さんによると、同窓会は「魔法の異空間」だ。
「家事や子育てに忙殺され、夫から女扱いされていない主婦の場合、かつてのボーイフレンドや同級生から、『君は僕のマドンナだった』と言われて胸がキュンとなってしまう。夫は決してしてくれない、女としての評価をされることで同窓会不倫に走ってしまうんです」
63歳の自営業の男性も、同窓会不倫狙いで、小学校から大学まで全ての同窓会に欠かさず顔を出す。
「2次会の途中でいなくなるカップルが、毎回必ず誕生しますね。2人でトイレに行って、そのまま帰ってこないパターン(笑い)。かくいう僕も、2次会は徹底して聞き役に回ります」
この手法で何人もの元同級生を落としたというのだから聞き捨てならない。
「気になる子が複数いれば、ツイッターやフェイスブックのアドレスを交換して、後から連絡するようにしています」(同前)
彼によると、2次会の終了後、店の周囲のラブホテルが一斉に満室になることもあるという。亀山さんも苦笑交じりに教えてくれた。
「中学時代に3回転校した男性なんですが、律儀にすべての同窓会に出席。おかげで3校それぞれの同級生と不倫関係を愉しんでいるそうです」
※週刊ポスト2014年3月7日号