3月に、31年半の歴史に幕を下ろす『笑っていいとも!』(フジテレビ系)。近年は視聴率も低下し、同時間帯1位を他局に許す日も多く見受けられた。『いいとも』に限らず、テレビ番組は視聴率が取れなくなれば、消える運命にある。だが、本当に『いいとも』は数字を取っていないのだろうか。
たしかに、平日は視聴率5~6%のあいだを推移しており、全盛期と比べればかなりパワーダウンしていることは否めない。しかし、今でも10%を記録する日もある。テレビ局関係者が話す。
「平日はともかく、祝日の数字は相変わらず高いですよ。たとえば、昨年9月16日(敬老の日)は10.9%。この日のフジテレビの最高視聴率は、月9ドラマ『サマーヌード』(主演・山下智久)の11.9%、2位が『ネプリーグSP』の11.4%で、『いいとも』は3位でした。同日放送された『SMAP×SMAP』の8.4%よりも高い数字なんです」
それ以降の祝日も同じような結果を残している。昨年9月23日(秋分の日)は8.6%、同10月14日(体育の日)は9.1%。“衝撃の終了発表”のあった昨年10月22日以降をみても、11月4日(文化の日)は9.9%、12月23日(天皇誕生日)は9.9%、今年1月13日(成人の日)は9.1%だ。そもそも祝日は昼の時間帯の視聴率は高まる傾向にあるが、いずれの日も民放トップの数字で、2ケタ近い視聴率なのだ。
「2月11日(建国記念日)は10.9%と2ケタに乗せました。ただ、日本テレビの『ヒルナンデス!』が11.4%を記録したため、同時間帯1位の座は譲っています。それでも、この日のフジテレビの視聴率1位は同率で『いいとも』と『とくダネ!』なんです。ほかの番組はすべて1ケタ。フジテレビの中では、『いいとも』のコンテンツ力はまだまだ落ちていないんです。
逆にいえば、今のフジは本当に苦戦していて、10%を超える番組が1日に2本ぐらいという日も珍しくありません。2ケタが『めざましテレビ』だけの日もあるほど。そのなかで、『いいとも』は祝日になれば、未だに2ケタを取れるコンテンツ。果たして、本当に打ち切っていいのかという疑問はあります」(同前)
2013年の年間平均視聴率は6.1%で、民放同時間帯でトップとなった『いいとも』。凋落ばかりが注目されるが、実は昼帯にもかかわらず、2ケタを超える数字を持っているのだ。その番組を終わらせるのは、果たして得策なのか。
「たしかに全盛期と比較すれば、祝日の数字も衰退していますが、それはテレビ界全体にいえることですよね……」(同前)