芸能

冬ドラマ終盤 災害医療リアル追求で関ジャニ∞大倉6kg減量

事故現場のメイキング写真。このリアルさも作品を支える要素

 1月からスタートした、今クールの連続ドラマも終盤。途中ソチ五輪に視聴者が流れた影響で、全般的に低調といった評価もされているが、オリンピックも閉幕したこれから、最終回へ向けて盛り返すドラマは出てくるのか、気になるところだ。

 記者が注目しているのは『Dr.DMAT』(TBS 木曜21時~)――このドラマには、いくつかの特徴がある。まず昨今の医療ドラマでは、いわゆるスーパードクターが主人公であるケースが多いが、ここに“天才医師”は出てこない。また災害派遣医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)を描くドラマとして、舞台となる東京DMATが監修、東京消防庁の全面協力で撮影しており、ドラマとはいえ“実際の災害現場で、どのような医療が行なわれているのか?”といったリアリティを追求したストーリー・演出となっている。

 物語の軸となるのは、民放連続ドラマ初主演の関ジャニ∞・大倉忠義が演じる医師の八雲響が、DMATの医師として成長していく姿なのだが、トラウマを抱え、「昼飯も選ばれへん」性格。しかしそんな設定を差し引いても、現場で“命を選ぶ”ことへの葛藤、悪条件や力が足りずに、患者を助けられないジレンマなど、実際DMATで活躍する医師が直面するであろう感情が伝わってくるシーンが多い。

 制作プロデューサー・加藤章一さんは、そうした撮影現場の苦労や苦悩をこう語る。
「まず災害現場を再現するには、多くの作業工程が必要です。1話の高速道路トンネル内での多重事故や、2話の雑居ビル火災など、各話の災害現場を作ることは制作的にも大変で、事故車や火事の炎、煙を再現するには手間も時間もかかります。その点は、東京消防庁さん全面協力のおかげもあって実現できているのですが、恐らく連続テレビドラマで、災害シーンをここまで大きな規模で、毎回描いた作品はないのではないでしょうか。

 ただそれよりも、苦労というか葛藤するのは、災害現場での怪我人の表現です。医療ドラマなので、もちろん最後に患者を助けて気持ち良く終わりたい。その方が演じている役者もスタッフも、現場でのストレスが少ない……助かるシーンは気持ちよく撮影できるからです。ただ今回題材にしている災害医療の現場は、そんなに甘くない。助からない方が多いのが現実です。その世界を表現している以上、死を必ず表現しなくてはならない。痛快なだけでは終われない。これは制作側にとってもかなりのストレスですし、キャストにも精神的な苦痛が多い撮影だと思います」

 こうしたリアリティへの評価といった面に加え、終盤に期待が高まるポイントというのは、主人公の響が成長したことにより、回を追うごとにストーリー展開の充実度が増している点。

 これまで流れの中で大きく扱われていないが、天才医師ではない響が過酷な現場で、足りない医療機器の中から工夫・応用して精一杯の治療をする側面なども、見どころのひとつ。また今後、大規模地震が発生したという設定も予定されており、多くの患者や葛藤の中にあって、“命をつなぐ”“助けられる命を助ける”というDMATの使命に、響がどう取り組んでいくのかも注目だ。

「主演の大倉さんは、過酷な環境で成長していく響の姿にリアリティを持たせるため、撮影当初から体重を絞ってきていて、最初の撮影の頃と比較すると今6kgもウェイトを落としています。

 そういうプロ意識というか、医師という役に入っているせいか、主演で自分が大変なのに、共演者さんやスタッフみんなの健康状態を気にしまくってますね。共演者の市川実日子さんが風邪気味だった時も、すごく心配していましたし。あと現場にスケジュール表があるのですが、それをチェックして出演シーンが多い人を気遣ったり……そういう大倉さんのシーンが、1番多いんですけどねぇ(笑い)」(前出・加藤プロデューサー)

関連キーワード

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン