肝臓で作られた胆汁が十二指腸まで流れる道が胆管で、胆のうはその途中にある風船状の平滑筋でできた臓器だ。胃に食物がない時には、胆汁は胆のうに溜まり、食物が胃に入ると神経とホルモンの指令で、胆のうから胆汁が押し出され、主に脂肪の消化吸収を助ける。
胆汁は1日に500~800ml作られ、胆のうには約30~50ml溜まり濃縮される。濃縮されるうちに、胆汁の成分であるコレステロールや破壊された赤血球から遊離したビリルビンが固まり、結晶となったのが胆石だ。
胆石ができる原因は、食事の洋風化による脂肪分の摂取過多だけでなく、不規則な食事時間や胆のうの形態(胆のう腺筋症)なども関係している。また、コレステロール値が高いと胆石ができやすい傾向がある。
がん・感染症センター都立駒込病院肝胆膵外科の本田五郎外科医長に話を聞いた。
「胆石があっても胆のうに留まっているうちは無症状なことが多く、また発がんとの強い関係はないので、健康診断などで見つかっても症状がなければ、特別な治療は必要ありません。しかし中には胆石発作といって、胆石が胆のうの出入り口を塞いだために胆汁が出られなくなり、生汗を伴う腹痛を起こすことがあります。その状態が持続すると、急性胆のう炎になって発熱し、場合によっては黄疸などの症状が起こることもあります」
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2014年3月7日号