昨今、田舎暮らしがブームとなっている。リタイアした高齢者層だけではなく、ここ最近では、子育て世代や若者世代にもこの動きが広まっており、田舎暮らしの目的や意識も多様化しつつあるようだ。
夢のスローライフをイメージしていても、いざ移住してみると思わぬトラブルが発生することも少なくない。移住した地域に上手くとけ込むためには、どのようなことに気をつければ良いのか。移住の受け入れを活発に行なっている北陸地方の役場職員・Aさん(40代)は、次の3点が大切だと指摘する(以下、「」内すべてAさん)。
●その1……すべては挨拶から
「田舎では住民同士の協力関係が一番大切。最初にうまく挨拶をしておかないと、ずっと“よそ者”として認識されてしまうので、いつまでも地域の中にとけ込めません。
田舎は農家で採れた野菜をおすそ分けする文化がまだ残っていますが、挨拶をして仲良くなっていけば、自然と地域の人も声をかけて野菜などを分けてくれたりするようになります」
●その2……マネープランをしっかりたてる
「田舎暮らしは出費も安く済むと思っている人は注意が必要です。古い家を購入すればトイレも汲み取り式から水洗に替えたり、家の修繕費がかかったりと何かと出費がかさみます。また地方税や固定資産税、保険料なども考慮しないといけません。
それから移動手段として車が必須の場所も多いので、その費用もかかります。もし農業に従事したいならば、農機具を買ったり借りたりする費用もかかりますから、下調べが必要です」
●その3……郷に入れば郷に従う
「田舎で嫌われるのは都会風を吹かせて上から目線な態度を取る人。たとえば会社員時代に役職についていたりと、プライドが高いままに田舎に入ってしまうと失敗しがちです。
郷に入れば郷に従うのが一番。自分が水洗式トイレにしたくても、近隣がみな汲取り式だったら、人間関係を重視して我慢することもあるでしょう。まずは地域にとけ込むために、地域のイベントに積極的に参加し、教えを乞う努力が必要です」