夫なき後の妻たちは、悠々自適に「真のセカンドライフ」を満喫している──この現実に、あなたは耐えられますか。東京都内で町内会の役員を務める60代女性は、「夫が死んだあとにイキイキし出す女性が多くて驚いている」という。
「地元ではオシドリ夫婦として知られた70歳近い夫妻がいたんですが、ご主人が亡くなるや否や、専業主婦だった奥さんが近所の商店街にスナックをオープンしたんです。
で、話を聞きに行ったら、『生きている間はしっかり尽くし、野辺の送りをすませたんだから、誰にも遠慮はない。これからは好きなことをやらせてもらう。主人に先に逝ってもらえて幸せ。自分の好きなことをする時間を与えてくれて、主人には感謝している』っていうんです。
聞けば、スナックの開業資金は『ちゃんとヘソクリして、準備していた』って。お客さんにも『主人が死ぬのを待ってた』なんて笑い話にしていて、客もいっぱいだし、楽しそうですよ」
自分の死後、そんなことがネタにされているなんて……。
50歳、専業主婦の有美さんは、数年前に夫を亡くした。夫はエリートサラリーマンで猛烈に働いていた。
「夫が生きている間、私は家事と子育てに専念させられていましたし、社宅のマンションに住んでいたので周囲に気を使うことが多かった。ですから、夫が死んで会社と縁が切れたらすぐに一般のマンションに越しました。今は茶髪にして、ネイルも楽しみ、ミニスカートにもチャレンジしています」
肉体的にも健康になったと話すのは、50代半ば、公務員の寛子さん。
「結婚以来、ワンマンで気分屋の夫のおかげで気が休まる暇がなく、40代に入ってすぐに更年期鬱。今でいう『夫原病』だったんでしょうね。ところが、3年前に夫が病死してくれたおかげで急に健康になりました。同性の友だちからは『10歳近く若返ったね』といわれます」
一気にこれでもか、と証言を並べてみたが、これらはみな、取材対象者が語ったウソ偽りない本音である。
なかには、夫の葬式で「よかったわ~」とつぶやき、親戚一同から顰蹙を買った実例もある。
※週刊ポスト2014年3月7日号