望んでいるのになかなか子どもができず、不妊の心配をしたことがある夫婦の割合は31.1%、結婚期間5~9年では38.7%にものぼり、3組に1組が不安を感じている(国立人口問題研究所・第14回出生動向基本調査)。いまや国民的関心といえる不妊治療の負担軽減のため、国の特定不妊治療費助成制度も10年経つ。助成件数は初年度が17,657件、年々増加し2012年度には112,642件となり今後も増加しそうだ。
不妊治療にあたって、All About「出産・育児費用」ガイドでファイナンシャル・プランナーの拝野洋子さんは、これら各種の助成制度の活用をすすめている。
「不妊治療をする約半数のかたは、100万円以上の費用をかけているといいます。特に体外受精や顕微授精などには健康保険が適用されないため、治療費の負担は重くのしかかります。そこで利用したいのが、国の『特定不妊治療費助成事業』。体外受精や顕微授精1回につき15万円までのお金が戻ってくるため、ぜひとも利用したい制度です」
しかし、この制度が2016年度から新制度に変わるため、今年の4月から移行期間が始まる。いままで対象年齢の制限がなかったのが新制度では43歳以上は受給対象外となり、40歳以上は通算3回までと助成回数が減る。(移行期間中は、39歳以下は年間回数制限なしで通算6回まで、40歳以上は1年目3回、2年目2回の通算5回まで)
体外受精を検討している場合は、この変更を念頭において検討するといいが、助成金はほかにも市町村など自治体でも行っている場合があるので確認するべきだろう。
さらに排野さんは、「子供を望む場合、お金は育児、教育にもかかります。妊活をするなら、将来のマネープランを夫婦でよく考えてから取り組むことが大切です」と語る。