4月の消費増税を前に、小売店各社が対応に迫られている。値上げか値下げか、そのままか――。とくにキリのいい安価な料金の商品をウリにしている店はどのように対応するのだろうか? 各店に聞いた。
100円ショップ『ダイソー』、100円寿司チェーン『くら寿司』ではこれまで通り、会計時、消費税分が上乗せされる。つまり、100円の商品は、4月以降は8%の消費税が加算されて108円となる。ほかの多くの小売店と同じ対応だ。
そんななかで値上げを決める店も出ている。
1000円カットで人気の『QBハウス』では、4月から税込1000円から税込1080円に。同社では、ホームページ上で「さらなる増税も見込まれ、このような情勢下において、税込1000円を維持することは難しく」と説明している。65才以上の高齢者については平日に限り税込1000円を続けるという。
映画館『TOHOシネマズ』では基本鑑賞料金はそのままだが、ファーストデイ(現在、毎月1日は税込1000円)、レディースデイ(現在、毎週水曜日は女性税込1000円)などの割引チケットが100円(税込)値上げとなる。
その一方、価格を据え置く店も。
増税分を店側が負担するかたちで、実質、値下げを決めたのは『ダイコクドラッグ』。同店では、税込100円均一の雑貨コーナーが人気だが、4月以降も税込100円のまま続ける予定だ。
「お客様に税込100円の商品は支持されてきましたので。ただし、やはり仕入れ価格などが上がりますので、どうしても値上げしなければいけない商品は、100円均一のコーナーから外すようになると思います」(ダイコクの担当者)
『天丼てんや』では、看板メニューであるワンコイン(税込500円)の天丼を、このままの価格で維持する。
「昨年創業25周年を迎え、一般的には1000円ほどしていた天丼をワンコインで召し上がっていただこうというのが、ビジネスの始まりでした。創業より圧倒的1番人気なのがこの天丼ですので、このままの価格で召し上がっていただきたいと」(テンコーポレーションの担当者)
各社の対応はさまざまだが、増税によりこれまで以上に消費者の目が厳しくなるのは確か。価格以上にサービスや商品の質が求められることになりそうだ。