国家の貧しさは経済指標だけで示されるものではない。先進国の仲間入りを果たしたと喧伝する韓国が、実際は世界から“ヘンな国”と呆れられている証拠が「OINK」という言葉の存在だ。ジャーナリスト・室谷克実氏が解説する。
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「OINK」とは「オンリー・イン・コリア(Only in Korea)」を略した言葉である。韓国でのビジネスに携わる欧米金融関係者の間で生まれた言葉で、「韓国でしか起こらない、普通ならあり得ないこと」といった意味で使われる。英語で「OINK」と言えば豚の鳴き声であり、あえて日本語に訳せば「ブタ野郎」といったニュアンスを含む。韓国政府や韓国人の国際常識をわきまえない行動への怒りと軽蔑の念が込められた造語というわけだ。 この言葉が広まった契機が「ローンスター事件」だった。
2003年に米投資ファンド・ローンスター社が破綻寸前だった韓国外換銀行の株式の約51%を取得。リストラを進め、3年後には黒字化を達成した。そこでロ社が利益確定のために持ち株を売却しようとしたところ、買収時の株価操作などの容疑で検察当局の強制捜査を受けたのだ。その後起訴され一部容疑についてはロ社側が敗訴。韓国政府が承認を遅らせたため、株売却は12年までずれ込んだ。
韓国企業の救世主と称えられていたロ社が、利益を確定する段になって世論の批判を浴び、「国策捜査」で狙い撃ちにされた──欧米金融関係者はそう受け止めた。英紙フィナンシャル・タイムズをはじめ海外メディアは政治的意図を持った捜査・裁判だと批判し、在韓米商工会議所の所長は「韓国は政策・規制が予測できない国」とコメント。
ロ社にしてみれば他国と同様のビジネスをしただけなのに、理不尽な打撃を被ったわけである。この「異例の事件」をきっかけに欧米の金融業界関係者の間で「OINK」という韓国蔑視が広まったのだ。
※SAPIO2014年3月号