大阪駅から電車を乗り継ぎ30分あまり。辰巳琢郎(55才)の実家は大阪と京都の境にある緑豊かな住宅街にあった。両親がここへ引っ越してきたのは30年ほど前のことだった。
「ご両親は辰巳さんと弟さんが独立したのをきっかけに、あのマンションに移ってきました。お父さん(82才)は役所勤めで、お母さん(81才)は塾の先生をされていて、しっかりしたかただったんですが、2年ほど前からでしょうか、お母さんが認知症を患ったそうなんです。介護認定を受けるほどと聞きましたから、ご家族は大変だと思いますよ」(地元住民)
京都大学文学部を卒業し、俳優業の傍ら、バラエティー番組ではクイズ王として君臨する辰巳。その彼が今、これまで対峙したことのない難問に苦悩している。
「どうも弟さんと母親の介護を巡ってぎくしゃくしているみたいなんです。辰巳さんは長男ですが、だからといってお母さんの介護にかかりきりになることができない事情があるようなんです」(芸能関係者)
そのためか、母親はご近所にこんな愚痴をこぼしていた。
「琢郎はちっとも顔を見せない」
「嫁の家に取られた」
辰巳の妻に話を聞くと、「義母の病状は薬の服用によって落ち着いており、介護が必要なほど深刻ではありません」と言う。
だが、現在母の介護にあたる弟(53才)は、そのために転勤を願い出ていた。
「弟さんは通信社の記者をしていて、名古屋に勤務していたんです。でも、お母さんの介護のことがあったので、会社に頼み込んで、去年の夏頃に勤務地を大阪に変えてもらったんです。しかも、弟さんはその頃、再婚したばかりだったうえに奥さんは妊娠中でした。弟さんにとっても奥さんにとっても、お母さんの介護を引き受けるのは大変な決断だったと思いますよ。そのせいかはわかりませんが、彼はお兄さんの話をされるのを極端に嫌がるんです」(前出・辰巳の知人)
辰巳としても弟夫妻の苦労を知らないわけではない。しかし、辰巳のほうにも事情があった。
「もちろんお母さんのことは心配なんだと思いますが、実は義母が義父を亡くして大阪でひとり暮らしをしているんです。奥さんのことを考えれば、自分の親ばかりに構うわけにはいかないんでしょうね」(前出・辰巳の知人)
辰巳の場合、“入り婿状態”で実家とも疎遠になっていたゆえ、母の介護を弟に任せざるを得ない状況だ。置かれた立場を巡って兄弟間でぎくしゃくしてしまうのは仕方がないのかもしれない。
前出・辰巳の知人は言う。
「琢郎さんはクリスマスなどの記念日には、いつも実家にワインやシャンパンを贈っているそうです。ご両親や弟さんにしてみれば、そんなことより、やってほしいことはたくさんあるというのが正直なところでしょうが、琢郎さんが苦悩していることは充分わかってるんでしょうね。不満を口にすることはあっても、直接本人には言わないようにしているそうですよ」
※女性セブン2014年3月13日号