2月28日発売のコミックス100巻で幕を閉じた『あさりちゃん』(小学館)。勉強は苦手だけれど、スポーツ万能で、時にはいじめっ子を打ち負かすような正義感の強い女の子として描かれている。子供たちを笑わせ、勇気づけてきた35年間。読者からの手紙には、逆に励まされることが多かったと作者の室山まゆみさん(姉・眞弓さん、妹・眞里子さん)は語る。
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姉:「つらいことがあっても毎晩、あさりちゃんを読めば忘れられます」という声もありました。
妹:あとは「私は学校でいじめられています。私の友達はあさりちゃんだけです。だから先生、友達になって文通してください」というのもありました。
姉:そういう子に対して、どう返事をしていいかわからず、悩んだりしましたね。でも、そういう子たちに向けて、あさりちゃんのような子がいてくれたら、元気に学校に通えるかもしれないと思って描き続けてきた部分はあります。
妹:私の子供の頃の経験も大きいです。私は小学3年生の時に担任の先生にいじめられてたんですよ。何かをやっても「あなたへたくそね」と言われたり。担任がそんな態度をとると同級生の男の子だって「あの子はいじめていいんだ」って思うんですよね。それで同級生の男の子にも嫌がらせを受け、自信もなくしてしまいました。
なくした自信を取り戻すことはすごく難しいんです。でも、そこにあさりのように間違っていることは間違っているとはっきり口にして、いじめにも立ち向かっていくような子がいれば、世の中変わってくるかもしれない。あさりがずっとそういう存在であり続けてくれればいいなと思っています。
※女性セブン2014年3月13日号