3月7日、大阪に地上300m、日本一の高さの「あべのハルカス」がオープンするが、これまでの日本一の高層ビルの歴史を振り返ってみよう。
1888年、現在の大阪・浪速区に建てられた高さ31mの「五層楼眺望閣」が日本一の高層建造物として完成し、翌年にはそれを8m抜くビルが北区に誕生と、大阪は立て続けに世間を騒がせた。
以来、長きにわたりビルの高さで東京に日本一の座を明け渡していたこの地に、ようやく悲願の日本一が帰ってきた。あらためて、大阪がタイトルを奪還するまでの日本一ビルの変遷を見る。
■1888年:五層楼眺望閣(5階、約31m)
大阪府浪速区。「ミナミの五階」の通称で親しまれ、屋上展望台への入場料は1人2銭。
■1889年:九層楼凌雲閣(9階、39m)
大阪府北区。眺望閣ができた翌年に建てられた通称「キタの9階」。
■1890年:浅草凌雲閣(12階、約50m)
東京都台東区。高さには諸説あるが、日本初のエレベーターが設置。23年の関東大震災で倒壊。
■1914年:日本橋三越本店・新館(5階、51m)
東京都中央区。金銭輸送器やスプリンクラーなどが設置され、高さだけでなく質の面でも当代随一を誇った。
■1936年:国会議事堂・中央塔(65m)
東京都千代田区。その外観から「白亜の殿堂」と呼ばれた。建築費用は当時の価格で2570万円。
■1964年:ホテルニューオータニ・本館(17階、73m)
東京都千代田区。東京オリンピック開催に合わせ開業された日本初の高層ホテル。