昨年末から好調だった株式市場は年が明けてから突如暗転、2月上旬には、日経平均が1万4000円を割った。
そこに待ち受けるのは消費増税。一般的に、増税後は消費が鈍り、景気が悪化するといわれる。それにともなって今後も株価は下がり続けるのか。買っておくならばいつなのか──。カブ知恵代表の藤井英敏氏が語る。
「見通しは明るいと見ています。直近の下落はアルゼンチンなど、新興国の財政不安が全体に波及し、外国投資家が日本株や円の売りに走った影響でした。
もともと4月以降の消費増税は織り込み済みです。日銀は異次元緩和を継続し、政府の5.5兆円の補正予算で財政の手当てをしており、腰折れのリスクは少ない。その意味では、1万4000円台になっている今が、基本的に“押し目買い”の好機といえます」
仮に増税後に景気が悪化しても、アベノミクスを支持する黒田東彦・総裁のもと、日銀による追加の緩和政策が講じられる見通しで、マーケットはそれほど不安視していないようだ。では、どういった業界や銘柄に注目すべきか。
「増税そのものを好機ととらえるなら、会計ソフト会社などのSI(システムインテグレーション)業界ですね」(藤井氏)
理由は、消費税が5%から8%に引き上げられると、会計システムや販売管理システムなどを変更する必要があるため。法人向けにシステムを提供する企業は成長が見込めそうだ。
ただ増税そのものは、やはりネガティブ要素。増税の影響を受けにくい業界にも目を向けたい。
「まず、LINEやソーシャルゲームの関連業界は、スマホの世界的普及によって高い成長が見込めます。他には、太陽光や風力など、売電絡みの代替エネルギー、省エネ、バイオ関連にも注目しています」(藤井氏)
※週刊ポスト2014年3月14日号