いま中国・韓国への批判本や雑誌記事が売れるのは、朝日新聞が歪んだ反日的報道を繰り返してきたからだ──そう指摘した本誌記事が反響を呼んでいる。外国に日本が悪いと告げ口する朝日の「ご注進報道」はどこまでエスカレートするのか。
そもそも慰安婦問題も、朝日の記者がわざわざ出かけていって、強制性の有無という観点からは信ぴょう性に欠けると言わざるを得ない証言を掘り出したものだった。そして現在、東南アジアの慰安婦たちを探すことで、さらに朝日は問題を拡大しようとしている。
こういった朝日の報道について識者はどう見るのか。上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授(メディア論)はこう批判する。
「ここ1年の朝日の報道を振り返ると、刺激的な言葉じりをとらえてフレームアップし、海外のメディアがその報道を受けて報じ、さらに海外の反応はこうだと報じる姿勢が強まっている。こういう報道姿勢はマッチポンプのそしりを免れない。“外圧”に頼らない正面切った報道ができないのなら、読者離れはますます進むと思います」
しかし、朝日はますます海外メディアの威光を借りた報道に走っている。昨年5月に朝日は、「ネットメディア界の黒船」と呼ばれるハフィントンポストの日本参入に参画し、日本語版サイトを立ち上げた。はっきりいって日本語版の評判は芳しくないが、ハフィントンポストは欧米では絶大な影響力をもち、朝日の記事がますます世界に拡散していく環境が整っている。
ネット上では「火のないところに煙は立たぬ」をもじって、「煙のないところに火をつける」と揶揄されている朝日新聞だが、そろそろ読者も気づき始めている。国民や読者の目線に立って正面から正々堂々と論じ、批判するメディアに生まれ変わらなければ、新聞に明日はない。
※週刊ポスト2014年3月14日号