様々なメディアで名医のやよい病院の見つけ方、といった特集が組まれるが、それは大病院の話。だが、多くの人にとって本当に大事なのは町医者の選び方だ。
『実はすごい町医者の見つけ方』(講談社刊)の著者で、医療現場に詳しい長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授の永田宏氏(医療情報学)によれば、
「がんや脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な病気の手術や治療をするのは確かに大病院の医師ですが、多くの場合、そうした病気の可能性を最初に発見するのは、患者さんがふだんからかかっている地元の診療所の医師、いわゆる町医者です。逆に言えば、町医者が確かな“目”を持っているかどうかが重要なのです」
最高の町医者を見つけるには、どんなことに気を配ったらよいのか。
開業したてで最新の医療機器が揃っていると、どんな病気でも対処してくれそうだが、それも気をつけた方がいい。
「開業の際に最新の医療機器を一気に買い揃えた町医者には注意が必要です。多額の投資をしたので、やらなくてもいい診察、検査によって回収しようとする可能性があるからです。超音波、内視鏡、CTなどはとくに効率が悪く、件数をこなさなければなりません。
やたらと検査したがる医者は要注意です。開業医の本来の役割は精密検査が必要かどうかを判断し、必要なら大病院を紹介することです。仮に自分のところで検査できるとしても、例えば糖尿病患者の場合、普通は2か月に1回の血液検査で十分です。なのに、毎月やるような医者は、儲け主義を疑っていいでしょう」(作家で米山医院院長の米山公啓氏)
※週刊ポスト2014年3月14日号