優木まおみ(34 才)が自身のブログのコメント欄を会員限定にしたことで、にわかに注目を集めているのがマタニティマークだ。
優木は3月2日、妊娠発表後のコメント欄について「嫌なことを書いてくる人や、ときに危険すら感じるような内容まである」と会員限定にした理由を説明。さらに、マタニティマークをつけたことで嫌がらせを受けたとするネットニュースについて「世の中いろいろ怖いことあるんだなぁと思います」と綴った。
マタニティマークは2006 年、厚生労働省が妊婦にやさしい環境作りを目的として制定したもので、全国の多くの自治体が妊婦に配布している。妊婦が交通機関などを利用する際に、周囲が妊婦への配慮を示しやすくする、などを目指したものだ。キーホルダーなどのタイプもあり、バッグにつける人も多い。
しかし、実際にはマタニティマークをつけたことで、妊婦が嫌がらせを受けるケースが多数報告されている。優木もブログでこうコメントしている。
「例えば、優先席で舌打ちされたり、おじさんに電車のんなきゃいいのにとか逆ギレされたりとかは、聞いていたので、気になってました」
マタニティマーク普及委員会の運営責任者は、こうした嫌がらせの背景についてこう解説する。
「マタニティマークは、障害者のかたの車椅子マークや内臓疾患などのかたのハート・プラスマークと違って、体の疾患、病気などではない妊産婦に対するものということから、健康なのに人に善意を求めるのはおかしい、という考え方を持つ人もいるようです」
また、不妊症などで子供が思うようにできない女性の嫉妬心から、マタニティマークをつけた妊婦への嫌がらせにつながるケースもあるようだ。
「舌打ちをされたとか、にらまれたという事例はよくあります。ネット上にも、子供がなかなか授かれない女性とみられる人からマタニティマークや妊婦に対する批判的な声が多数、書き込まれています」(業界関係者)
妊婦への嫌がらせについて作家の北原みのりさんの見方はこうだ。
「幸せそうな人妊婦を見て、子供を授かることができない人が嫉妬する感情を持つのは悪いことでも珍しいことでもない。それが、実際に妊婦に対する行動に向かってしまうというのは、感情を抑えられないくらい追い詰められている人が増えている感じがします。妊婦や赤ちゃんは、本来なら、社会から守られるべき存在ですよね。そうした存在が叩かれるというのは、社会の闇がかなり深まっているのではないでしょうか」
マタ二ティマークは、周囲の人が“席、譲りますか?”と声をかけるきっかけになったり、急な病気で意識がなくなったときでも妊婦であることがわかるので適切な処置ができたりなどメリットも多い。マタニティマーク普及委員会でも取り組んでいるように、マタニティマークの意味を広く伝えることが今後も必要と言えそうだ。