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死亡時の懸念を軽減 200万円から契約可能な遺言代用信託も

 遺影の準備やエンディングノート、納棺体験など、今やブームを超えて一般的なものとなった終活。エンディングを迎える側にとっても、残される家族にとっても、やはり一番の課題はお金――ということで、先般当サイトで「増加する相続トラブル 約32%が遺産1000万円以下の調停」という記事を掲載。その中で、正式な遺言書に代わる“プレ相続”の一例として、金銭信託が注目を集めていることを紹介した。

 金銭信託とは、「信託銀行が利用者にかわってお金を管理・運用する金融商品のこと」(全国銀行協会)。そのうちプレ相続として活用できるもののひとつが、「遺言代用信託」だ。簡単にいうと「契約者本人が死亡した時に、指定した家族や相続人がお金を受け取れる」ようにする金融商品。前の記事でも紹介したように、死亡後は相続手続きが終わるまで、故人の口座などから現金を動かすことができない。

 しかし遺言代用信託を使えば、預入金の中から自分(委託者)が死亡した際に、相続手続きが完了しなくても、葬儀費用としてまとまった金額の「一時金」を準備したり、残された家族(受益者)へ生活費として月々一定額を「年金」のように渡す――といった使い方が可能になる。

 遺言代用信託の受託件数は、信託業界全体でも急増しており、平成23年の年間64件から、平成25年には上期だけで 2万1000件あまりに。各金融機関もこぞって、プレ相続に対応した商品を提供し始めている。さまざまな商品があり、それぞれ特徴があるが、今回は大手銀行系が提供する4つの商品を2014年2月現在、ウェブサイトほかで開示されている商品情報からチェックしてみた。

 なお委託者が第一受益者、遺族などの相続人が第二受益者となるタイプのものもあり、用語による混乱を避けるため、ここでは委託者や第一受益者を“自分”、死亡後の受け取り人を仮に“家族”として紹介する。

 三井住友信託銀行の「家族おもいやり信託」は、自分の死後に家族へ資産を渡すタイプの遺言代用信託。<一時金型>と<年金型>のほか、両者を組み合わせたセットプランもある。<一時金型>の場合、預入金額は100万円以上500万円以下(1円単位)、信託期間は契約から相続の発生まで。<年金型>は、預け入れ金額500万円以上3000万円以下(1円単位)、5年以上25年以内(年単位)。いずれのタイプも、管理報酬はなしとなっている。

 このようなシンプルなプランだけでなく、自分自身が老後に年金のような生活資金として活用できる、資産管理との併用が可能な遺言代用信託もある。

 りそな銀行の「マイトラスト 未来安心図」は、お金を「目的コース」「分割コース」「一括コース」に分けて管理できる。例えば、自分の老人ホーム入居資金用、子供の事業継承資金などの目的別に費用を取り分けるほか、定期的に自分の生活資金として、一定額を受け取ることも可能。最低預入金額は1000万円以上で、契約時に信託元本の金額に応じた管理報酬(5000万円以下は3%、5000万円超1億円以下は2%、1億円以上は1%。消費税別途)がかかるほか、年12万円+消費税の定例管理手数料がかかる。信託期間は最長30年で、契約内容によって異なる。

 三井住友銀行の「家族リレー信託」も、自己資金として使えるタイプの遺言代用信託。「リレー」という名の通り、自分の生活資金として定期的に受け取り、死亡時の一時金とその後の生活資金が、家族に引き継がれる。最低預入金額は1000万円以上、信託期間は5年以上25年以内で管理報酬はなし。

 三菱UFJ信託銀行の「ずっと安心信託」は、この資産管理と遺言代用信託を組み合わせた先駆け的な商品。預入金額は最低200万円からと、委託者本人も使えるタイプの中では、最も安価な設定となっている。そうした手軽さや、早くからニーズに即した商品構成を打ち出した点などが支持され、同様の商品の中では契約数において高いシェアを誇るという。信託期間は5年以上30年以内で、管理報酬はなし。死亡後の受け取り人となる家族(第二受益者)を複数設定することも可能だ。

 りそな銀行の「マイトラスト 未来安心図」を除き、管理報酬(手数料)はかからないが、信託としての運用報酬に関しては、どの商品でも発生する。その一方で、一般的な資産運用の商品と比較してみると、いずれも「元本保証」のため、資産管理の面でも心理的なハードルが低い側面がある。こうした遺言代用信託は、もしもの時の不安を軽減するだけでなく、老後を積極的に楽しむための資産管理ツールとしても、選択肢のひとつとなっていきそうだ。

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