日経を始め、朝日や産経など全国各紙が、こぞって景気のいい「数字」を大見出しに並べる、アベノミクスを礼賛する傾向が続いている。いくつか見出しを見てみよう。
「短時間労働の時給、微増 男性1円、女性6円増 13年厚労省調査」(朝日、2月21日付)
「来期業績『上向く』6割」(日経、2月21日付)
「電機6社ベア実施 パナソニック6年ぶり容認」(産経、3月5日付)
なぜこのように景気のいい、結果として政権側に有利になる見出しばかりが目立つことになるのか。大手紙編集委員が解説する。
「いま霞が関は安倍晋三政権を意識し、アベノミクスが成功している材料があれば、記者レク(記者発表)でそこを強調し、逆にマイナスのものは『たいした数字ではない』と火消しに走ることが増えている。
とくに経済指標は午前中発表のものも多く、夕刊に間に合わせるため、やっつけで記事をまとめることが多い。加えて、ベテランではなく若手記者にやらせる傾向が多く、統計のポイントも知らずに、レク通りに書いてしまう。結果、アベノミクス効果が出ているかのような記事が増えている」
※週刊ポスト2014年3月21日号