もはや老若男女がネットを駆使する現在。定年後の時間をネットに費やすお年寄りも増えているという。愛知県に住む専業主婦のKさん(61才)が、夫(64才)のエピソードを披露する。
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定年退職してから2年。すっかり時間を持て余している夫を、私はもっと持て余しています。外食は体に悪いとかいって3食、家で食べる男なんて妻からしたら最低よ。
「あ~あ。無芸大食。無趣味の男はヤダヤダ。あんたさ~、趣味のひとつやふたつ見つけられないの? たとえば、手始めにブログでもするとかぁ」
口から出まかせよ。ネタ探しに外に出てくれたらいいナと思っただけなの。そしたら珍しく「そうだな」と重い腰を上げた。そして一日の大半をパソコンの前で過ごすようになったの。
しばらして、夫が席を立ったスキにパソコンを覗いて、ビックリ。なんと『×田○夫 小説家への道』という感じのタイトルつけてるの。
顔写真はいつ撮ったのか、昔の文豪のマネして、だらしなく着物を着てアゴに手をあててむずかしい顔。
パソコンの前で腕組みして「うーん。書けない」と小説家気どりしたかと思えば「朝飯は納豆だった。昼飯はパンだった」なんてことを書き連ねて、ブログを書籍化しようと考えているみたい。この人、大丈夫かしら。
※女性セブン2014年3月27日号