2月20日午後8時半頃──病は何の前ぶれもなく、自室で休んでいた安西マリア(60才)を襲った。強烈な胸の痛みに自ら119番通報したが、救急車が到着した時には彼女はすでに意識を失っていた。
窓ガラスを割って隊員が部屋に入ると、そこには無呼吸状態で倒れた安西とその隣でガタガタと震える長男(30才)の姿があったという。急性心筋梗塞と診断された安西は、今なお意識は戻っていない。
安西とデビュー前から親交がある元スリーファンキーズのリーダーで実業家の長沢純さん(72才)は言う。
「マリアの叔父さんから“息があるうちにぜひ面会に来てください”と連絡をもらって、3月4日に面会に行きました。体中に毒素が回ってるみたいで、むくんでいて顔は管だらけで見るのもかわいそうで…」
1983年に結婚し、翌年には長男が誕生。しかし、1990年に夫の女性問題などが原因で離婚してしまう。シングルマザー生活は壮絶を極めた。
「長男には知的障がいがあるため、自活することが難しく、要介護認定も受けています。そのうえ、お母さんまで認知症を患い、W介護に追われてしまったんです」(前出・長沢さん)
長男の将来を考え、アルバイトをさせたこともあったが、うまくいかず、途方に暮れたこともあった。また、ふたりの介護費用の足しに、2000年には芸能界に復帰し、かつては水着さえ嫌がった彼女が、2012年にはヌード写真集も出版した。「私、息子をおいて死ねないのよ」──それが彼女の口癖だった。
しかし、彼女は病に倒れてしまう。3月6日、一向に容体が回復しない安西に、叔父はある決断をした。前出の長沢さんが言う。
「“奇跡的に息を吹き返したとしても、再起は難しい”と医師から言われた彼女の叔父さんに、私も意見を求められました。人工呼吸器でも生き続けてほしいですが、はたしてそれが本人のため、周りのためによいことなのでしょうか。つらいですよ。息子も彼女の面倒を見ることはできませんし、お母さんは施設に入所していて、叔父さん夫妻ももう高齢ですから。だから、“叔父さんの判断に委ねます”と返事しました。最終的に、叔父さんとマネジャーさんは人工呼吸器を外す決断を下しました。呼吸器を外すと、“水の中で溺れているように必死で呼吸するから、見ていられない”と叔父さんは話していました」
長男を遺しては逝けない──その強い思いがあってか、現在は自力呼吸をしているという。
※女性セブン2014年3月27日号