列島を揺るがす新たな事件の情報をキャッチした。目下、京都府警が極秘捜査を進めるのが「連続不審死事件」である。
“被害者”の多くが独居老人、捜査エリアは近畿全域に及び、被害者は10人を超える見込みだ。そして京都府警が“重要参考人”として厳重マークするのは、67歳の謎の美女Aだった。
Aは一体何者なのか。取材を進める中で、小誌取材班はAが数十年前の初婚時に嫁いだ男性Bの存在に辿り着いた。
大阪南部の街にあるB家をよく知る関係者によれば、Aは福岡の名門高校を卒業後、地元の大手銀行に勤務。九州に遊びにきていたBと福岡で知り合い、大阪に居を構えるBと結婚した。Aは、Bが始めたTシャツのプリント業を手伝ったという。だがB家との折り合いはよくなかったようだ。
「今から約20年前、Bは病に倒れ、帰らぬ人となった。未亡人となったAは、しばらくはここに住んでいたが、居心地が悪かったのか飛び出すようにこの地を去っていきました」(前出の関係者)
ここ、10数年はAとB家は音信不通だったという。ただし昨年の夏、こんなことがあったそうだ。
「初老の男性が一人でB家の周辺を尋ね回っていたんです。この男性は、Aと結婚する予定だと嬉しそうに語っていました。だから、結婚する前にAがかつて嫁いだ先を見ておきたい、と」(前出の関係者)
おそらくは京都で亡くなった男性だったのだろう。
時間を追うにつれ、次々と新事実が明らかになっている。“被害者は10人を超える”との情報が事実なら、木嶋事件をはるかに上回る大事件のはずだが、京都府警幹部は、「事件の全容解明には時間がかかる。慎重に捜査したい」と語っているとされ、本稿締め切り時点で、公開捜査に踏み切っていない。ある京都府警担当記者はいう。
「慎重になっているのは捜査が他県に及ぶため、各県警との協力態勢がうまくとれていないのが一つ。警察組織はしがらみが多いですから。また、Aと接点のある男性が次々と不審死を遂げているのに、なぜこれまで犯行に気づかなかったかと批判されるのを恐れているという面もあるでしょう」
警察の面子を気にしている状況ではあるまい。捜査の進展が待たれる。
※週刊ポスト2014年3月28日号