4月1日以降、サラリーマンを待ち構えているのは、「増税&便乗値上げ」と「小遣い削減」の痛すぎるダブルパンチである。牛丼、タバコ、缶コーヒー、子供の教育費やレジャーにかかる出費まで軒並み上がる。
もう勘弁してくれといいたくなるような値上げラッシュだが、さらに腹立たしいのが、消費税課税対象なのに、なぜか3%以上値上がりするものがあることだ。利用するスポーツ施設から通知はがきを受け取った都内の会社員Aさんは、こう話す。
「施設利用料1000円が消費税を上乗せして1080円になるという。これまで内税5%で1000円なら、本体価格は952円+税額48円。8%の税額なら1028円で済むはず。本体価格を値上げしたという話はなく、これって便乗値上げじゃないですか」
実はこうしたことは、周囲を注意深く眺めてみればよくある。消費税が3%から5%に引き上げられた1997年には、看板の料金表の表示価格はそのままで料金据え置きと思いきや、ちゃっかり外税に切り替えてレジで5%分を上乗せして請求する飲食店などの便乗値上げが横行した。
「行きつけの散髪屋の料金が3500円から4000円に跳ね上がって驚いた。消費税でコストがかさむと言い訳されたが、単純にドサクサ紛れの値上げです」(会社員Bさん)
さらにあくどいケースが消費税の課税対象ではない「原則非課税」のサービスで便乗値上げされたものだ。特に前回の増税で問題となったのが家賃。「契約更改時に消費税を理由に値上げされた」という苦情が国や自治体に多数寄せられた。
4月1日以降も、混乱はしばらく起きそうだ。想定しうるのが、「旧料金」と「新料金」の混在するケース。自動販売機などのシステムは一気には変えられないので、しばらく「あっちで買えば130円、こっちで買えば120円」ということになりそうだ。ちなみにタクシーの場合、3月31日の深夜から稼働している車は4月1日に日付が変わっても、その車が営業所に戻るまでは旧料金が適用されるという。
※週刊ポスト2014年3月28日号