中国の最高指導者、習近平・国家主席が座右の銘にしている「父から学んだ5つの教訓」が話題になっている。「人に尽くす」など当たり前のことばかりだが、習ファミリーは個人蓄財が日本円で少なくとも565億円は下らない。
香港の人権団体は最近、習氏本人が汚職でこれまで20億元(約340億円)を不正に受け取ったと発表しており、「偉いのは革命の元勲だった父親と母親だけで、子どもたちの実態は父の教えに馬耳東風だ」との批判がネット上で出ている。
米国を本拠とする中国情報専門のニュースサイト「多維新聞網」によると、この5つの教訓は習氏の父、習仲勲氏(元副首相)が2001年10月15日、88歳の誕生日のために集まった習近平氏ら姉妹兄弟を前にして、「もう私も長くはないだろうから」として、“遺言”代わりに語ったという。
それは、まず「人のために尽くす」ことで、「人に誠実であり、忠孝を尽くして、ウソをついてはならない」というもの。
2番目は「仕事をしっかりとやり、大事をなすこと」。
3番目は習仲勲氏が一生、共産主義思想に忠実だったように、「自分の主義主張を一生貫くこと」。
4番目は「赤ちゃんのような純粋な情愛を保ち続けること」。とにかく、革命、戦友、父や母、妻や子どもたちも純粋に愛し続けることが重要だという。
最後は「質素であり、質朴な生活を保つこと」。これは習近平氏が2012年11月に党総書記に就任した際、打ち出した「ぜいたく禁止令」に受け継がれているようだ。
習仲勲氏は習近平氏ら兄弟姉妹に「仕事に重きを置き、国家の大事にために働け。人民に奉仕せよ。これが我々への最大の親孝行だ」と述べた。さらに、この半年後、習仲勲氏は、習近平氏らを前にして、「私はお前たちに財産は残してやれなかったが、名声は残せたと思う」と最後に語って、息を引き取ったという。
習近平氏は昨年10月末、北京で開かれた中国婦女聯合会の総会で、「父から学んだ5つの教訓」について話して、「中国でも夫人の力によって、良い家風をなし、中華民族の良質な家庭の美徳を形成していただきたい」と強調した。
しかし、これに対して、ネット上では、「5つの教訓は節約、質朴によって貫かれているが、習近平の姉はビジネスで膨大な資産を形成しており、この5つの教訓を学んでいないのではないか。また、習近平の娘も米ハーバード大学に留学しており、父の教えに反しているのではないか」との皮肉混じりの書き込みが掲載されており、鋭い習近平ファミリー批判が展開されている。