“オバさんの味方”ファッションプロデューサーの植松晃士さんに、オバさんになってもなお、美しくあり続けるための、生き方を指南していただきます。今回のテーマは「お金」です。
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例えば「ケチ」って、すごく嫌な言葉です。個人的には、「人間、あのひとケチよねといわれちゃったら、おしまい」くらいに思ってます。でもだからこそ、お金にまつわるあれこれを品よくこなせる人は素敵です。
私の知り合いのあるご婦人は、パッケージがかわいいオーガニック系のハンドクリームやかわいい花柄の布巾を、常にストックしています。ちょっとしたお礼にお渡しするんですって。お値段的には数百円から千円くらいだから、相手のお気持ちに負担にならないし、“消えもの”だし、とてもいいプレゼントだと思う。
この、「ほんの数百円のちょっとしたお礼」をケチらないことがとても大切なのよ。お金は使わなければ、入ってもこないんだから。
私も、万が一のためにポチ袋は必ず持ち歩いています。歌舞伎や宝塚に行く際も、チケットを取ってくださったかたには、待ち合わせ場所でお顔を合わせた瞬間に、お礼の言葉とともに、新札を入れたポチ袋をお渡しします。
「新札をポチ袋に入れて」というのがポイント。手垢のついていない真新しいお金を紙に包んで差し上げることで、相手への感謝と敬意を表している。日本人ならではの美しい心遣いではないですか。
「そんな細かいこと!」って思うかもしれないけど、受け取る側は、意外にちゃんと気づいているものよ。「この人はちゃんとしている」って。
反対に、人様の目の前で、お金のやり取りを平然として、しかもお釣りを出させるなんて言語道断。無粋の極みです。
会食の後のお会計で、お財布を出す気配すらない女性は嫌だな〜とおっしゃっていた紳士もいたわね。そのかたはとてもお金持ちだから、ご馳走するのが嫌なわけではない。でも相手が「おごってもらって当然」という態度だと、幻滅するとおっしゃっていました。
今回、周囲にリサーチしたところ、皆さん必ずひとつやふたつの「しみったれ、ケチ話」をお持ちなんですね。口に出さずとも「消せないもやもや」として心に刻まれるものなんだと思いました。
「お金はおっかね~」というダジャレもあるくらいだもの(うそです)。皆さん、生きた使い方をしましょうね。
オバさん、万歳!
※女性セブン2014年4月3日号