新社会人が職場にやってくる新年度が始まる。学生時代とは違い、彼らも大人としてのふるまいが求められる生活が始まる。とはいっても、先輩が本音で大人らしさを教えてくれるわけではない。JTが1998年から実施している「大人たばこ養成講座」の一環で20~60代1000人の男女を対象に大人やマナーへの価値観について調査したJT「大人たばこ養成講座」OTONA100の? の結果から、とくに注意が必要な女性にまつわるテーマを中心に、大人らしさの心得を考えてみよう。
たとえば「同僚の女性が大胆に髪型を変えた。大人らしい行動は」との問いに、最も多かったのは「褒める(75.0%)」、次が「触れない(15.1%)」、少なかったのは「ワケを聞く(9.9%)」だった。大勢を占めているように、女性が髪型を大きく変えたときは、褒めるのが大人としてのたしなみらしい。
だが「褒める人は、実際にはほとんどいないですよ」と社会人生活7年目の奈津美さん(仮名)は嘆いている。
「気分転換や夏になったから、飽きたからといった理由で髪を切って色も変えても、職場でそのことを褒めてくれる人はほとんどいません。褒められて悪い気はしないのに黙って知らんぷりをされますね。失恋したから髪を切る女性なんて実際にはほとんどいないのに、何を妙な気の使い方をしているんだろうと思います」
その一方で、明らかになっているのに指摘しないこともある。「友人の新調した服が似合ってない。大人らしい行動は?」の問いには「華麗にスルー(91.2%)」「果敢に賞賛(8.8%)」とこちらは解答と実際の行動が一致しているそうだ。
「友人でも、同僚や上司であっても服装が似合っているかどうかなんて絶対に言えません。家族ならどうにか言えるかも知れないですが、それでもお父さんには言いにくいです」(前出・奈津美さん)
そして、奈津美さんはバレンタインチョコレートについて先輩から聞いた悲しい話を、ぜひ新社会人には気をつけてほしい事例だと話し始めた。
「こんなアンケートをとると、義理チョコを受け取った際には大人の対応をして『ありがとう(91.2%)』『マジで!ありがとう!(8.8%)』と感謝の言葉を忘れず立派だなと思いますよね。でも、1か月後のホワイトデーに何もお返ししないのはどうかと思うんです。
男性ばかりの部署に初めての女性として配属された先輩が、以前の部署と同じように義理チョコを用意したんです。その場で軽くお礼は言われたそうですが、1か月後のホワイトデーを華麗にスルーされたと呆れていました。バレンタインはお礼が目的じゃないけれど、10人以上いて誰も気づかなかったことに驚いたそうです。それ以来、正真正銘の義理チョコを形式的に渡すだけになってしまったそうですよ」