「薄さ」と「品質」を両立させ、日本ナンバーワンのコンドームメーカーとして君臨するオカモトは、海外市場にも進出を図っている。欧州も巨大市場だが、世界トップの「デュレックス」ブランドを擁する英国企業レキット・ベンキーザー社の牙城となっている。それでも、オカモトは攻略を諦めていない。
「スペインやイタリアなどで、順調に売れるようになっています。アジアや北米なみに、『オカモト=高品質』の認識が浸透していけば、勝機はあるはずです」
アフリカ大陸においては、エイズ対策や人口抑制策の一助として、2008年にガーナへ80万個(市場価格で1億円)のコンドームを無料支給した。アフリカ諸国でも、いずれオカモトのコンドームが知れ渡るだろう。
同社の岡本邦彦海外部長は、海外戦略の要諦について、「国ごとの細かな配慮が必要」と強調する。例えば「クラウン」はオカモトのブランドとして世界各国に流通している。だが、タイでは「王室への不敬」として許可されなかった。インドでは、フレーバーの種類、ゼリーの量、形状など付加価値を外箱にこれでもかと列記するとよく売れる。
「サイズの要望もさまざま。米国は口径が36ミリ。中国、韓国は日本と同じ32~33ミリです。反対にタイでは31ミリの商品が好まれています」
海外のオカモト製品には、「NO1 in JAPAN」の文字が入っている。卓越した品質を武器に、オカモトは「NO1 in the WORLD」を目指す。
※週刊ポスト2014年3月28日号