振り返れば、2014年3月22日は子どもたちにとって勝負の日だった。『妖怪ウォッチ』の「妖怪メダル 第2章」と「妖怪大辞典 第2巻」の発売日だったからだ。どの販売店も個数制限をして販売したが、早朝からできた長い列ですぐに売り切れた。発売日に子どもと一緒に量販店へ向かった30代会社員男性は、『妖怪ウォッチ』関連のおもちゃは、いまやどれもこれも入手困難だとこぼす。
「コンビニでも妖怪メダルが手に入ると聞いたので10軒以上回りましたが、まだひとつも見つかりません。22日は新発売だから手に入りやすいかと思ったのですが厳しかったですね。かなり朝早くから並んで整理券をもらわないと買えなかったようです。これから春休みになると、ますます子どもの『妖怪ウォッチ』熱が高まって、妖怪メダル探しが続きそうですよ」
22日の発売日当日は、日本全国のオモチャ屋や量販店で購入個数を制限しても販売開始まもなくに在庫が終了した。入手困難なのは新商品だけでなく、妖怪ウォッチに関わるほぼすべてにわたる。販売元の株式会社バンダイも「ご要望にお応えすべく追加生産に努めております」とわざわざ妖怪ウォッチ関連商品のQ&Aを公式HPに掲示するほどの人気ぶりだ。
子どもを夢中にさせている『妖怪ウォッチ』とは、ニンテンドー3DS用のRPG(ロールプレイングゲーム)ソフトのことだ。ソフトのパッケージ版累計出荷本数は先月50万本を超え、オフィシャル攻略ガイドも30万部を突破した。「妖怪ウォッチ」関連グッズはどんなものでも人気が高く、通学用サブバッグや給食袋をつくるための妖怪ウォッチ柄布地まで品薄になっている。
内容は、ゲームの発売に先行して2013年1月号から『月刊コロコロコミック』で連載が始まったマンガや現在放映中のアニメをみると分かりやすい。
主人公である小学5年生のケータが不思議なガチャガチャマシンで妖怪執事のウィスパーと知り合い、妖怪ウォッチを入手してふだんは見えない妖怪が見えるようになる第1話は、昨年7月に発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフトの導入と同じ。さらに妖怪ウォッチを使ってさまざまな妖怪を見つけ、友だちになり、育てたり戦うなどするストーリーも、ゲーム内のイベントとリンクしている。