バラエティ番組を見ると、どの局の番組でも頻繁に出演しているのが、ローラや鈴木奈々。少し前までこのポジションにいたのは、芹那やキンタロー。だったりしたものだ。なぜ、テレビ番組のゲストには同じような顔触れが並んでしまうのか。番組制作会議にその秘密があるようだ。制作会社スタッフが語る。
「テレビ番組の会議では、放送作家の意見が非常に重要視されます。というのも、局員は自分の局の限られた番組しかわかりません。制作会社のディレクターは、局をまたがって仕事をしている人も多いですが、ひとつの番組につくと、どうしても専従になってしまう。いくつもの番組を掛け持ちできるのは、放送作家しかいないんですよ。
だから、ゲスト案になって、作家が『あの人、ほかの番組で使ったけど、すごく良かったですよ』と勧めれば、『じゃあ、使ってみようか』となるケースはよく見受けられます」
実際には、どのようなタレントが好まれるのだろうか。
「VTRを見たときのリアクションは大事ですね。リアクションが薄いと、『次はないな』と制作側は考えてしまう。タレントが笑ってくれれば、なんとなく面白く見える。笑っていないと、面白く見えない。
こういうと、『だから迎合ばかりするタレントが生まれるんだ』と批判されるかもしれないですが、テレビに限らない話だと思いますよ。実際、笑っていないタレントがワイプにずっと映っていたら、そっちばかりに目が行ってしまいますよね」
考えてもみれば、旬のタレントであるローラも鈴木奈々も、リアクションは飛びきり派手だ。ある放送作家はこう話す。
「あとは、編集するときに助かる人。VTRに関するコメントで、気の効いた一言を言ってくれると、前後を切りやすいんです。クドクドと説明されると、尺が足りなくなるし、時間がもったいない。『ここで一言欲しいな』というタイミングで、印象に残るワンフレーズを言ってくれると、次も使いたいと思いますね。
そういう人って、そんなに多くはない。特に、女性タレントでかわいい上に、リアクションがいいとなると、本当に限られてくる。だから、同じ顔触れになってしまうのです。そういう意味で、ワイプ芸もワンフレーズも冴えていた矢口真里は、長く生き残れていたのですが……」
前出・番組制作会社スタッフは、タレントの流行り廃りは放送作家が握っていると考える。
「逆にいえば、『最近あのタレントはあんまり良くないな』となると、作家を中心に業界中に噂が広まる。そのため、今まで出まくっていたタレントが、突然見掛けなくなることがあるんです。芸能事務所は局のプロデューサーばかりに気を遣いがちですが、本当は放送作家にもっとアプローチしてもいい気がしますね」