今年春のTV局の改編期では、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、『はなまるマーケット』(TBS系)などの長寿番組が終焉を迎えた。一方で、視聴率が伸びないものの、存続し続けている番組もある。代表的なのは、4月で23年目を迎えた明石家さんま司会の『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系・※1992年4月~1996年4月までは『さんまのからくりTV』)だろう。
最盛期は毎週のように視聴率20%を越えていたが、最近は7~8%台を行き来し、2ケタを記録することは珍しい。それでも、局内で打ち切りの声は聞こえてこないのだという。その理由を、TBS関係者が話す。
「さんまさんというビッグネームを抱えておきながら、数字を取れないのは制作陣に問題があると考えられる。それで打ち切りなんて、さんまさんに失礼ですよ。実際、日本テレビの『さんま御殿』やフジテレビの『ホンマでっか!?TV』は今も高い数字を取り続けていますからね。
仮に打ち切ったところで、新番組が今以上の視聴率を獲得できるとは思えない。それならば、長寿番組で知名度もある今の体制で、息を吹き返すことを狙ったほうが効率的。局内ではそう考えられていますね」
TBSのゴールデン帯で、確実に視聴率2ケタを計算できる番組は、『爆報!THEフライデー』『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマたちへ』『世界ふしぎ発見!』など、それほど多いわけではない。そう考えれば、7~8%台の『からくりTV』が終了しないのも合点が行くだろう。放送作家はこう話す。
「局全体が、新番組への切り替えに臆病になっている。ゴールデン帯の新番組で5%に届かないこともあるし、2ケタに乗ったら万々歳という状態ですからね。ビートたけしさんと石橋貴明さんの『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』(2012年10月~2013年3月)が惨敗に終わった影響も大きかったと思います。ゴールデン帯で3.2%を記録してしまいましたからね。
そうは言っても、『からくりTV』は明らかにソフトとして疲弊している。さんまさんの冠は残しながら、まったく新しいコンセプトで番組を始めたほうが数字も伸びると思いますが……」
TBS局内でもジレンマを抱えているようだ。