32年の歴史に幕を閉じた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、最後のテレフォンショッキング(3月31日)にゲストとして呼ばれたビートたけしが、同番組の司会者・タモリについての思いを語った。
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最近じゃ、いろんな人がタモリのことを論じているようだけど、一言でいえば、この人っていうのは「白米のようなタレント」なんだよな。オカズが毎日どんなものに変わっても、結局は欲しくなる「変わらなさ」を持ってるってことでさ。
『いいとも!』には、芸人にしても、アイドルにしても、その時々の「旬」といわれるヤツラが揃うわけだけど、それはいってしまえば「日替わりメニュー」のオカズでね。目新しくて一時は注目されるけど、毎日食ってると飽きちまうというさ。
激辛の辛子明太子やスパイスタップリのエスニック料理も、たまにならいいけど毎日食おうとは思わない。いくら高級品だからって毎日キャビアやフォアグラを食ってちゃそのうちウンザリしちまうってことでさ。「いいとも青年隊」なんて、本当の産地がどこかもわからない安いインスタント食品だよ(笑い)。まァ、結局オカズってのはいつか飽きられちまうんだよな。
タモリは、『いいとも!』ではとにかくライスに徹したね。オイラだと「たまには何か変わったことをやってやろうか」となっちゃうところを、とにかく淡々とやってた気がする。
とはいえ、今や「炭水化物ダイエット」が当たり前になっちゃった時代だからね。飽きのこない白米タレントとはいえ、「別に必要ない」っていわれちゃいかねない世知辛い世の中なんでさ。『いいとも!』が必要とされなくなったっていうのも、そういう時代の変わり目ってことかもしれないよな。
※週刊ポスト2014年4月18日号