3月25日、厚生労働省は「特別養護老人ホーム(以下、特養)」の入所申込者(待機者)数が、52万3584人に達したと発表した。前回2009年の42万1259人に比べ、5年で10万人以上増加している。
介護ジャーナリスト・小山朝子さんはこう指摘する。
「高齢化のペースに施設数が追いついていません。今後も待機者はますます増えるでしょう」
そこで、なるべく早く特養入所をかち取るために必要な対策を紹介する。
要介護認定者に欠かせないのが、介護計画の作成や相談に乗ってくれるケアマネジャー(以下、ケアマネ)の存在。デイサービスセンターや特養などの各事業所に所属していて、自治体の相談窓口『地域包括支援センター』に行けば、ケアマネとその所属先がわかる。
希望する特養関連の事業所(デイサービスセンターなど)で働くケアマネを選べば、入所が有利になると介護事情に詳しい作家・本岡類さん。
「入所者を決める“入所検討委員会”には、ケアマネも出席します。同じ点数ならば、要介護者の状況を把握している知り合いを推薦してくれる可能性が高い」(本岡さん)
また、2000年の『介護保険制度』導入時から働いているケアマネは、ベテランのため、情報通が多い。
特養は、施設によって待機人数が異なる。その数は多いところで数百人。当然入所申し込みは待機人数の少ない施設から行うと効率的だ。まずは、役所の高齢者福祉課など、高齢者施策担当の課に問い合わせ、待機人数を把握しよう。
また、一度に大人数が入所できる新設予定の特養も狙い目。開設予定の半年ほど前から役所で情報公開され、申し込み可能になる。ちなみに、申し込める施設数に制限はない。
自治体によっては、入所基準の加点項目に市区町村内在住を加えている場合がある。
「特養は、まず第一に自分が住む市区町村内が最も入所しやすい。また、離れて暮らす家族の居住地も候補として考えて。自治体によっては、本人の居住地と同等の点数をつけるところもあります」(本岡さん)
※女性セブン2014年4月17日号