【マンガ紹介】
『きょうの猫村さん(7)』ほしよりこ/マガジンハウス/1296円
『ひまわりっ ~健一レジェンド~(1)』東村アキコ/講談社/566円
能年玲奈ちゃん主演映画『ホットロード』が話題ですね。原作は繊細な不良少年少女を描いた1980年代の大ヒット少女マンガ。「なぜ今1980年代ヤンキーものを!?」と思うかたもいるかもしれませんが…いいんです! 当時ヤンキー文化どっぷり、でもヤンキーになれないダサ女子だった私は、かっこいいヤンキー女子に今でも憧れが…。
猫の家政婦の日々をのんびり描いた、ほしよりこ『きょうの猫村さん』(マガジンハウス)。猫村さんが派遣先で出会うヤンキー女子の名は尾仁子おじょう様! おへそが出るほどの短いセーラー服に長いスカートというオールドスタイルで登場。大学教授の父は愛人をつくり、母は父を振り向かせるため整形とエステに夢中。
兄は醒めた心で自分の将来だけを考えている。そんな家族の中で尾仁子だけが本音で生きています。〈顔いじらねーと愛情つなぎ留められねーって、そんな上っつらなもんかよ家族って〉と正論をつぶやき、ヘッドを務める「五月雨ヶ丘連合会」のために男相手にケンカも辞さず、心許せる祖母の愛犬の名を特攻服に刺繍(「ステテコ命」)する…そんな愛情深い女子なのです。真っ直ぐで、責任感があって、やさしくて。尾仁子センパイ、好きっす(中学生ですが)!
個性的なキャラ(変人)てんこ盛りの東村アキコ『ひまわりっ』(講談社)にも、かつてのヤンキー女子・蛯原さんが主人公の先輩OLとして登場。1980年代を振り返ると基本的にヤンキー女子=おしゃれな子。
蛯原さんも推定30代の現在も美には手を抜きません。会社にヘアアイロンを持参、ゴージャスな巻き髪を常にキープ! 常にクールな上から目線で自分のやりたいようにやるマイペースな蛯原さんですが、主人公の恋路を応援するなど面倒見がいいのはさすが元ヤン! そして中学時代の憧れ・蟹江センパイ(5児の父)を前にすると「大丈夫っスかセンパイ」と口調も戻るほど今も彼に恋心を抱いているという乙女っぷりがかわいい!
ヤンキー女子たちは、なつかしマンガだけでなく今どきマンガでも輝きをはなっているのです…!
(文/門倉紫麻)
※女性セブン2014年4月17日号