最近、世間で話題になっているベビーシッターは無資格でも名乗れるが、ペットのお世話をするペットシッターはどうなのか。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、ペットシッターの資格について解説する。
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三波伸介じゃないけど、「ビックリしたなぁ、もう!」。何にビックリしたかって~と、ベビーシッターには資格もいらないし、登録もいらないんだと。
そんなに驚くことかなぁ、なんて思ったご貴兄。だってですよ、飼い主のお留守の間に犬や猫のお世話にあたるペットシッターだって、お上(かみ)への登録が必要なんすよ。
実際には事業所を登録するんすけど、その事業所には動物取扱責任者ってのが必要。で、その動物取扱責任者ってのには、半年以上の実務経験、所定の学校の卒業、所定の資格の取得、のいずれかの要件を満たしてないとなれない。これ、ちゃんと法で定められている。登録せずに営業した場合は、100万円以下の罰金。
本来、シッター業務ってのは、依頼主の家に出向いて、お世話にあたるもん。施設がなくてもできるんで、個人でやる場合は自宅などを事業所として登録する。
ペットシッターといっても、お預かり業務まで行う場合は、施設要件はペットホテルと同等のものを要求される。要件を満たしてなければ登録はできない。もちろんお上は、その施設に出向いて要件を満たしているかをチェックする。
お世話・お預かりしたペットの履歴、施設の清掃履歴なども残さないといけない。しかもですね、こうした施設や各履歴の確認に、抜き打ちでお上がやってきたりする。で、動物の管理や施設が不適切って判断されると、改善の勧告や命令が出され、さらにその先には「もはや営業まかりならん」ってな、御沙汰も控えてる。
お上が定める安全基準とか、衛生基準とか、そういったもんは人間の方がペットのより厳しい、ってのが世の常。それがですよ、シッターの場合はあべこべだってんだから、これはもう、「ビックリしたなぁ、もう!」でしょ、やっぱり。
※週刊ポスト2014年4月18日号