3月31日に32年間の歴史に幕を閉じた『笑っていいとも!』。その夜に放送された『笑っていいとも!グランドフィナーレ』では、タモリ、笑福亭鶴瓶、明石家さんま、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、爆笑問題、ナインティナインが、同じ舞台のうえで共演を果たすという、奇跡が起きた。そんななか、大御所たちをまとめたのが、SMAPの中居正広(41才)だった。彼はこのときの思いを明かしている。
「ぼくは急に仕切って話をまとめてみたいな。いやおれまとめらんねぇよ、怪獣ばっかりだぞ! って思って」
そんな中居の気持ちとは裏腹に、出演者たちからの評判はすこぶる高かった。
「中居がしゃべったら、みんな(話を)聞くんですよ。やっぱりタモリさんの後ろで中居さんが進行してるのって、いちばん見やすいよね」(矢部浩之)
「中居出てきてくれたから助かったよ!」(浜田雅功)
「あれまとめられんの中居くんしか」(松本人志)
しかし、どうして芸人でもない中居が、こんな“カオス”な状況を仕切ることができたのだろうか。テレビ評論家・木村隆志さんがこう解説する。
「中居くんはそれぞれと共演が多いので、芸人さんもみんな絡みやすいんですよ。それに芸人たちが自我を貫くなか、中居くんだけは“タモリさんを送る”という気持ちが強いから、一歩引いたスタンスで進行ができたんです。まさにこれは、中居くんがタモリさんから20年間、学んできた力なんですよ。司会者として成長した姿を最後にタモリさんに証明したわけです」
中居は常々、司会を務めるうえで心がけていることがあると公言している。
「好きな人もつくらない。好きな人ができると嫌いな人ができちゃうから。みんな同じ感情でやりたい」
これは32年間、『テレフォンショッキング』で日替わりでやってくる老若男女問わないゲストと対峙してきたタモリに通ずる能力といえる。
また中居自身もタモリを手本としたと語ったこともある。
「日本一の司会者といわれている人と、毎週生放送でお昼の時間に20年近くお仕事してるので…その人から根こそぎ盗みました」
“奇跡の共演”後、松本はこんな話をしている。
「久しぶりにワクワク、ドキドキしたし、“あぁテレビってこんなんやったなぁ”って思った」
一方、とんねるず・石橋貴明も、「こんなこと二度とないだろうし、すごい楽しかった」と。大物芸人たちをこんな気持ちにさせた陰には中居の“仕切る力”があったことは間違いない。
※女性セブン2014年4月24日号