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走る・歩く 健康に良いのはどちらかを抗加齢専門医が解説

 空前のランニングブームである。走ったほうが減量効果が高いのは明らかで、心肺機能も高められる。

 走ると、やる気や集中力を高めるドーパミンや心のバランスを整えるセロトニン、幸福感を与えてくれるベータ(β)エンドルフィンなどのホルモンが分泌され、心身ともにリフレッシュされるなどの効果もある。

 一方、ランニングの弊害も指摘されている。アスファルトの道を走ると、腰やひざに負担がかかるし、心肺機能を高めるとはいえ負荷をかけ過ぎると心臓病のリスクも上がる。過度な運動は活性酸素も増やし、むしろ老化を早めるので、歩くほうが体にいいという理屈だ。

 果たして健康のためには、走ったほうがいいのか、歩いたほうがいいのか。『アンチエイジング・バトル最終決着』(朝日新書)という書を上梓した坪田一男・慶應義塾大学医学部教授(日本抗加齢医学会の理事長)は、こう指摘する。

「私も以前まで走るのは体に悪いと考えていたが、『運動による酸化ストレス応答がアンチエイジングの根幹だ』とするホルミーシス仮説に出会ってから考えを変えました。

 酸化ストレス応答とは、『体に有害とされるストレスも、適量であればむしろストレス対応性を高める』ということで、ある程度、体に負荷をかけたほうがいいということです。

 医学誌『ランセット』に、40万人以上の男女を8年にわたって追跡した大規模調査の結果が載りました。

 歩行程度の運動を『弱度』、早めに歩く運動を『中等度』、ジョギングを『強度』、ランニングを『最強度』とし、まったく運動しないグループと比較したところ、1日に15分程度でも『中等度』以上の運動をしていた人は3年寿命が長く、死亡率が14%低下するという結果でした。やはり、ある程度の負荷が必要なのです。

 80歳の高齢者にとっては歩くだけでも十分な負荷になるかもしれませんが、50~60代の“若手”は走るほうがいい。もちろん、今まで運動していなかった人が急に走ると、それこそひざや腰を痛めてしまうので、最初は早歩きから徐々に始めて、筋力をつけてひざや腰を強化していくほうがいいでしょう」

※週刊ポスト2014年4月18日号

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