ベビーカーに子供を乗せた親が気兼ねなく交通機関などを利用できるようにと国土交通省が統一マークの「ベビーカーマーク」を発表した。
そもそもベビーカーは、電車やバス車内で折り畳まずに使用できた。畳むかどうかはママ側の判断に委ねられていた。畳まないにしても、
「私は共働きで、通勤途中の保育園に2才の娘を預けているのですが、かなり早めに家を出て、ラッシュの急行電車を避けて各駅停車を利用していますが、周囲の白い目と露骨な舌打ちにいたたまれなくなります」(34才・会社員女性)
といった具合に、かなり周囲に気を使う人がいる一方で、マナーの悪いママに対し、それだけに混雑時のベビーカー利用を迷惑だと感じる人が、男女を問わず少なくなかった。
「私が若い頃は迷惑をかけないように子供はおぶっていましたが、今の人は我が物顔で乗っている。周りへの配慮が足りない人が多すぎます」(60代・主婦)
「“ベビーカー様”のお通りだって感じで、ホームを突進。人にぶつかろうが足を踏もうが、そっちが悪いという態度をとるベビーカーママ、本当に大迷惑です」(30才・パート女性)
「子供が泣いても知らんぷりして通路をふさいでおしゃべりしたり、スマホいじりに夢中の母親もいる」(49才・会社員男性)
ママ側のマナー違反を指摘する人は想像以上に多い。
だが、2人の子供の母でもあり、10年前にはベビーカーを使って電車移動をしていた経験を持つ、東京未来大学こども心理学部准教授・小谷博子さんは、こう言う。
「当時は今のようにバリアフリーも充実していなかったので、公共の交通機関でベビーカーは利用しづらく、不安に思ったものです。エレベーターができ、利用しやすくなったことで、急速にベビーカー利用者が増え、マナーが追いついていないのかもしれません。マークが表示されることで安心して利用できるようになれば、母親の心も安定し、マナーも向上するのではないでしょうか」
JR各社など、協議会に参加している団体の新マークへの具体的な対応はこれから始まるが、すでに、ベビーカー優先スペースを独自に設けている交通機関もある。2005年、いち早く優先スペースを設置した広島電鉄はこう話す。
「跳ね上げ式の座席スペースを利用して車いすのお客様に対応していましたが、ベビーカーの優先スペースも設けてほしいと、お客様から要望をいただき、新型バリアフリー車両導入を機に車いすと共用の優先スペースを設置。これでベビーカーにお子さんを乗せたまま楽に乗降できるようになったと、喜ばれています」(広島電鉄広報)
※女性セブン2014年4月24日号