マレーシアのクアラルンプールから北京に向けて飛行したはずのマレーシア航空機が行方不明になって1か月以上が経った。この間、不明機の捜索に参加した国々が26か国にも及ぶなど、航空史上、極めて異例の広域捜索が展開されてきたが、それ以上に捜索費用も1か月で少なくとも合計4400万ドル(約45億円)もかかっており、2年間で45億円を要した2009年のエールフランス墜落事故の捜索費用を超えるなど、航空史上最高額を更新し続けている。ロイター通信などが報じた。
不明機の捜索作業に加わった26か国のなかで、最も大規模な捜索活動を展開しているのが、乗員・乗客227人のうち、153人を占める中国だ。習近平・国家主席や李克強首相は同機が行方不明になった際、「航空機を発見することを絶対に諦めない」と公言しており、メンツに賭けても探し出すまで捜索を止める気はないようだ。
その証拠に各国のなかで、中国は1か月で捜索に2200万ドル費やし最も多い。そのざっとした内訳は分かっているだけで、宇宙衛星21基の軌道変更費用が1500万ドル、出動している航空機31機は、1機分で1時間1万ドルかかるほか、海軍艦船3隻(うち2隻はヘリコプター搭載)は1日で10万ドル、揚陸艦1隻で1日約60万ドルとなっている。
米軍は1か月で330万ドル支出しており、軍全体の年間の捜索予算である400万ドルの大半をすでに使っている。
また、不明機が墜落したとみられる海域から最も近い国であるオーストラリアも国家の威信を賭けて捜索を主導、海軍艦船や空軍機なども出動させており、1日80万ドルの支出。今後、海域が特定されれば、潜水艦や海軍艦船も出動させる予定だという。