日本中の注目を集めた小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダー(30)の4月9日の記者会見。
「STAP細胞は……、あります!」──よくよく振り返ってみると、歯切れ良く答えたのはこの一言だけ。「針のむしろ」状態で2時間35分もの長丁場の記者会見をこなしたことは評価できても、小保方氏の主張を裏付ける新たなデータや画像提供などは全く行なわれず、STAP細胞をめぐる疑問は何一つ解消されなかった。
しかし、小保方氏の「涙の会見」を見て「かわいそうだ」「頑張って!」と、つい応援してしまった人が多いのもまた事実だ。
驚くべきことに、「Yahoo!ニュース」の意識調査では、「小保方リーダーの説明に納得したか?」という問いかけに対し、「納得した」との回答が43.9%にのぼり、「納得できなかった」の32.4%を大きく上回った(4月9日22時現在)。
誰もが心の奥で「なんだか怪しい」と思いつつも、あの会見を見た途端に、なぜか小保方氏を応援してしまったのである。確かに、常に世のニュースを批判的に見ている記者たちの集まりである本誌編集部でも「頑張ってるなァ……」という擁護の声が一部で上がっていた。
そう、これだけは確かだ。オボちゃんは「健気に頑張っている」と、周囲に印象づけることには、尋常ではないほど長けているのである。
よくよく考えてみてほしい。彼女が繰り返した「未熟者ゆえ」というフレーズは研究者にとって何の言い訳にもならないはずだ。「STAP細胞を再現した人は他にもいます。……でも誰かはいえません」なんて言葉一つをとっても、ツッコミどころ満載である。
もしこれらの言葉があの佐村河内守氏のようなルックスのオッサンから発せられたとしたら、「ふざけるな!」と集中砲火を浴びていたはずだ。
しかし小保方氏には、私たちをそうさせない「何か」がある。
※週刊ポスト2014年4月25日号