今夏に行なわれる予定の内閣改造だが、ここにきて党の要といわれる幹事長候補に、小渕優子氏(40)の名が浮上してきているという。小渕氏が所属する額賀派(旧経世会)では小渕氏の領袖待望論もあり、すでに帝王教育も受けている。
党内に小渕支持派は多く、なかには「お嬢(小渕氏)を総理にすることがオレの役目」と公言してはばからない議員もいる。
「父親(小渕恵三元首相)が謙虚で人間関係を上手に作ってきた人なので、“お父さんには世話になった”という国会議員が中堅以上には多い」と政治評論家の浅川博忠氏がいうように、父の影響が大きいのはたしかだ。
もちろん彼女自身にもそうさせる人間的な“魅力”が備わっている。
「昨年、安倍首相に大臣ポストを打診された際には同じ派閥の先輩でまだ大臣になっていない竹下さんに気を遣って、申し出を固辞したとされている。“オレがオレが”の政治の世界にあって、彼女の気遣いが男性議員たちの心を取り込んでいる」と永田町関係者がいえば、小渕氏の地盤である群馬5区の自民党県議・岩井均氏もこう続ける。
「彼女は『日本酒を愛する女性議員の会』の幹事長をなされていて、地元議員との懇親会も時折開かれます。日本酒をはじめ、何でもよく飲む。でも、父の威光を笠に着て偉ぶるところはない。お酒が回ると呂律が怪しくなってくるんですが、そこがまた愛嬌があってかわいらしいんです(笑い)」
「人柄の小渕」と呼ばれた父の「人たらし」の遺伝子を、彼女はしっかりと受け継いでいるようだ。
女性の登用という面では、党内には小渕氏よりキャリアを積んだ女性議員も多い。だが、小池百合子・元防衛相(61)は、野党(日本新党)出身で、多くの党を渡り歩いてきた政治家人生に党内の反発が大きい。
安倍政権が女性登用の目玉にした総務会長の野田聖子氏(53)は郵政問題で造反した“古傷”を持ち、政調会長の高市早苗氏(53)にしても新進党出身の“外様議員”という弱みがある。
そこへきて、首相を父に持つ小渕氏の血筋と男性議員からやっかみを受けない人となりは、永田町の住人たちを納得させるものだ。
※週刊ポスト2014年4月25日号