韓国の反日団体に中には、アメリカで活動したり、中国の反日団体と連携したりと国際的な動きを展開しているものもある。
在米韓国系の団体としてはニューヨーク州フラッシング市に本部を置く「韓国系米国人市民地位向上グループ」(KACE)と、カリフォルニア州アーバイン市に本部を置く「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」(KAFC)が知られている。前者はパリセイズ・パーク市に2010年、後者はグレンデール市に昨年、慰安婦像を設置する主体となった。
産経新聞ワシントン駐在特別委員の古森義久氏が解説する。
「韓国系アメリカ人は中国系に比べて数は少ないが、結束力が強いのが特徴。しかも、この両団体が活動する2つの地域に集中しているため、まとまりやすい。とはいえ、韓国系だけでは実現は難しく、グレンデール市の像設置には、中国系の抗日連合会の協力もあったといわれている。アメリカでも、中韓の反日団体が連携する動きが活発化しています」
慰安婦像設置の反対運動を行なっている藤井厳喜・拓殖大学日本文化研究所客員教授もこう口を揃える。
「今年1月、カリフォルニア州クパティーノ市でも慰安婦像を設置する提案が出ているとの情報が入った。 確かに、市議会議員が慰安婦像の提案に動いていることは事実だったが、彼は中国系アメリカ人議員で、抗日連合会の関係者だということがわかったんです」
ただし、こうした反日活動が、母国の首を絞める可能性もあると、在米ジャーナリストの高濱賛氏はいう。
「KAFCは3月8日の国際女性デーにグレンデール市の慰安婦像前で中国、タイ、フィリピン、日系米国人など13団体の関係者を集めた『女性の人権』に関するイベントを行なったが、それをテーマにすることは、韓国軍がベトナム戦争で行なった蛮行(*注)の問題に飛び火する危険性を帯びています。KAFCと連携する韓国の「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が女性の人権を掲げてベトナム戦争の問題に言及しましたが、いずれ自分らの首を絞めることにもなりかねません」
そんな懸念はどこへやら、中韓の反日団体はますます戦線を拡大している。オーストラリア・シドニー近郊のストラスフィールド市議会では目下、慰安婦像の設置が検討されている。中韓両国の現地民が作った「反日本戦争犯罪連盟」という組織の仕掛けである。
いまや世界各国のいたるところに、中韓の反日団体が網を張りめぐらせ、日本包囲網を形成しつつある。たかが民間の市民団体がやることと放置してきた日本政府は、彼らへの対抗措置を一刻も早く講じるべきではないか。
【*注】ベトナム戦争に参加した韓国軍が、ベトナム人に対する虐殺やレイプを繰り返し、韓国兵による性被害で生まれた混血児(ライダイハン)が多く生まれた。3月7日に挺対協がベトナム人女性に対する韓国政府の謝罪を求めた。
※週刊ポスト2014年4月25日号