松山英樹と石川遼。22歳の同級生ライバルの明暗は、はっきりと分かれつつある。自らの手でマスターズ出場権(世界ランク50位以内)を勝ち取った松山は、結果こそ予選落ちとなったが、開幕直前の地元紙では「優勝候補の一人」として扱われた。
一方、石川は連続出場が5年で途絶えた。
「拠点を置くフロリダで、練習の合間にテレビ観戦していたようです。松山にかなりの差を付けられたことは否めない」(ゴルフ誌記者)
そんな石川への追い打ちとなったのが、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が定めた「新シード権規定」だった。
「2009年に賞金王を獲得した石川は、2015年までの国内シード権を持つが、日本での規定出場数を満たさないと翌年は出場停止処分が下される。出場義務はこれまで年間3試合でしたが、今季から5試合に引き上げられた。スポンサー減少に悩むJGTOが、石川の参戦を“強制”するための措置と見られています」(スポーツ紙記者)
規定は昨年の賞金王・松山にも適用されるが、影響が大きいのは石川のほうだ。
「世界ランク26位(4月6日時点)の松山はともかく、78位の石川は“米ツアーにできるだけ多く出場してランキングを上げたい”というのが本音。周囲に“(規定は)海外挑戦を邪魔している”と不満を漏らしている」(前出・ゴルフ誌記者)
だが、強く出られないのが今の石川の立場。米ツアーで苦戦が続く石川にとって「日本復帰」の選択肢は大切な保険だからだ。それを示すかのように、つるやオープン(4月24日~)、中日クラウンズ(5月1日~)への2年ぶりの出場も正式発表された。
そんな中で、“重大イベント”も宙に浮いた状態が続いている。
「石川が婚約者の存在を公表したのは2年前。米ツアーで話題になる活躍をした時に結婚発表をしたいと考えていたようだが、不調続きのためにタイミングを逃し続けているのではないか」(石川を知る関係者)
ライバル・松山の活躍、日本からの“妨害”と悩みは多いが、“長すぎた春”にならぬように願いたい。
※週刊ポスト2014年4月25日号